新年を迎え、自宅のカレンダーを掛けかえた人がほとんどだろう。日めくりや動物、芸能人とさまざまな種類が発売されているが、長く日本国民に愛されてきたのが「皇室カレンダー」である。
毎年「皇室御一家」というカレンダー(通称「皇室カレンダー」)を発行している公益財団法人・菊葉文化協会のホームページによると、皇室カレンダーの頒布(販売)は意外にも歴史が浅く、1995(平成7)年9月のことだ。
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この年の1月、関西地方を中心に「阪神淡路大震災」が発生。
「現在の上皇陛下が被災地を訪れ、膝をついて被災者の話をお聞きになる姿は強く印象に残りました。じつは阪神淡路大震災の前は、こうした膝をつく姿に『天皇陛下になにをさせるのか』と批判すらあったのです。
そのムードが一変し、“国民に寄り添う皇室”のイメージが確立されるきっかけになったのが1995年でした」(皇室担当記者)
そして、2021年は小室眞子さんが結婚を果たした。震災時の上皇陛下とは別の意味で、「皇室」と「国民感情」という部分に大きなスポットライトが当たった1年だったといえる。
それでは、皇室カレンダーの売れ行きに影響はあったのだろうか。本誌は取材をおこなうことにしたが、実際に皇室カレンダーが販売されているところを見る機会は少ない。山手線沿線の中規模書店を探してみても、取り扱いをおこなっている書店が見つからない。ある書店で尋ねると「大型書店でしか取り扱っていないのでは」とのことだった。
その言葉どおり、池袋駅近くにある都内有数の大型書店「ジュンク堂書店 池袋本店」では、3階の特設スペースで皇室カレンダーが販売されていた。
「例年に比べ、売れている実感があります。在庫が少なくなり、何度も入荷しました。眞子さんが写る最後のカレンダーということもあり、売れているように感じています」(売場担当者)
「紀伊国屋書店 新宿本店」の売場担当者がこう話す。
「壁掛け版の皇室カレンダーはもう売り切れており、当店では卓上版のみの扱いになっております。そこまで売上が好調という実感はなく、例年どおりだと思います。ただ、皇室カレンダーはもともと“強い商品”なので、令和4年版も週によってはカレンダー売上の上位5位以内に入っています」
前出の菊葉文化協会が発行する令和4年版カレンダーでは、7、8月の秋篠宮家の写真に、眞子さんが写ったものが使用されている。この“最後のご登場”のお姿が好調を生んでいるのかもしれない。
カレンダー制作について、菊葉文化協会の事務局長はこう話す。
「発行した2021年9月の時点では眞子さんは皇族でいらっしゃったため、このような形になっております。
店舗での売れ行きは把握していませんが、発行部数は令和3年版も令和4年版も9万部と例年並みで、発行部数が限られていることもあり、中規模以下の書店などには取り扱いがないのです。紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、丸善などの大型書店以外では、日光田母沢御用邸記念公園や沼津御用邸記念公園などに売店があります。また京都御所には私どもの売店もあり、そこでもカレンダーを取り扱っております」
皇室像は変われど、皇室を心の拠り所にしている国民がいかに多いかを、カレンダー人気が示しているようだ。
( SmartFLASH )