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脱毛サロン「キレイモ」内部で起きていた“給料遅配”地獄…千鳥や渡辺直美ら起用で広告費は月3億円にも

社会・政治 投稿日:2022.05.17 06:00FLASH編集部

脱毛サロン「キレイモ」内部で起きていた“給料遅配”地獄…千鳥や渡辺直美ら起用で広告費は月3億円にも

キレイモが開催するPRイベントには渡辺直美や堀田茜など多くの芸能人が登壇していた(写真・時事通信)

 

「私が返金をお願いしたのは半年前。いまだに21万円が返ってきません」

 

 と憤るのは、20代女性・Aさんだ。美容業界の巨星が、蜂の巣をつついた騒ぎに見舞われている。その舞台となっているのは、株式会社ヴィエリスが運営する脱毛サロン・キレイモ(KIREIMO)だ。

 

「2014年に一号店をオープンしてから、怒涛の勢いで成長してきました。現在、全国で60店舗を展開しています。最大の売りは、全身脱毛の『無制限プラン』。約40万円支払うと、以後納得できるまで何度でも施術を受けることができます」(美容ライター)

 

 

 本誌読者には馴染みの薄い美容業界だが、キレイモは別だ。千鳥の2人や、渡辺直美など今をときめく人気芸能人を広告塔に据え、街頭はもちろんテレビやウェブCM、電車広告などを利用してド派手な宣伝を繰り返しており、「キレイモ」の文字を目にしたことのある読者は多いはずだ。

 

 だが、このキレイモの利用客から不満の声が噴出している。利用規約に記されている「返金」がなされないというのだ。冒頭のAさんが続ける。

 

「私も『無制限プラン』を利用していました。このプランは18回施術するまでは、返金を保証しています。何度か施術を受けた後、突然次の予約が取れなくなってしまったので、昨年11月に解約と返金を求めました。メールや電話で問い合わせてもまともに対応してくれず、消費生活センターにも相談しましたが埒が明かず……。

 

 結局、5月13日にやっとコールセンターと繋がって『順次返金に応じているが、返金できる時期はわからない』と言われました。こんなの詐欺ですよね」(Aさん)

 

 現在も「返金されない」という利用者の怒りの声がSNSに次々と投稿されている。だが、社内は、さらに深刻な事態に陥っている。キレイモ従業員のBさんが語る。

 

「給料の振り込みが遅れたんです。確かに資金難で、お客様に配る無料の駐車券が廃止されたり、1回につき100円もらえる『施術手当』が50円になったりと、昨年末から怪しい兆候はあったんですよ。

 

 3月は、新入社員の給料が最大5日間遅れました。その後、社内アプリを通じて、水沼智博社長名で『コロナ禍で資金繰りが悪化している』と、給料遅配を詫びる文書が公表されました。さらに、社内で不安が広がるのを払拭するためか、4月24日に翌日予定されている給与支払いについては『確実に行われますのでご安心ください』という文書が発表されました」

 

 ところが、この約束は破られた。その後、3日間も給料が振り込まれなかったのだ。

 

「関東圏の4つの店舗では、従業員がストライキを起こしました。私が勤める店舗には10人の従業員がいたのですが、会社を見限って、3人の従業員が自主退職しています」

 

 少ない人数で店舗を運営するBさんも愛想をつかした。

 

「誠意ある説明や謝罪がありませんからね。私も5月末に退職する予定で、転職活動しています。私と同じ考えの従業員がほとんどなので、店舗は閉めざるを得ないでしょう」

 

 キレイモ躍進の原動力となった広告戦略にも、赤信号が点灯している。

 

「キレイモさんとはもう何年も一緒にお仕事させてもらっていたのに……」

 

 と嘆くのは、キレイモと取引している広告代理店関係者だ。

 

「うちだけで、月に3000万円近い広告費をいただいていました。広告費全体で月に2~3億円かけていたようです。これまで支払いが遅れることは一度もなかったんですが、3月に初めて3日遅れました。たまたまだろうと信じていたのですが、4月の入金はいまだにありません。支払うまでは倒産しないでほしいですけどね……」(同前)

 

 どうやら、キレイモの“躓き”は、この過剰な広告費にあるようだ。別の大手広告代理店関係者が分析する。

 

「あの会社の広告は、サイバーエージェント社が多くを担当していました。大手ナショナルクライアントでも、広告予算は10億円程度。年間で数十億円の予算は高すぎです」

 

 社内アプリを通じて社員への弁明を繰り返す社長だが、今後の金策はうまくいくのだろうか。質問状を送ったところ、期日までに返答がなかったため、水沼社長の自宅を訪ねた。すると、親族の女性が応対し「最近忙しくてあんまり戻ってこないんです。子供もいるので何かあれば会社に言ってください」と答えた。

 

 自宅に帰れないほど社長が奔走したところで、客は戻るだろうか……。

 

( 週刊FLASH 2022年5月31日号 )

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