8月26日、政府は9月27日に予定している安倍晋三元首相の国葬について、約2億5000万円を予備費から支出することを閣議決定した。
参列者の数は、吉田茂元首相の6000人を上回る6400人程度としており、すでに米国のオバマ元大統領やハリス副大統領、フランスのマクロン大統領らが出席を検討するなど、大規模なものになる予定だ。
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近年おこなわれた元首相の葬儀は、内閣・自民党合同葬が通例となっており、2020年の中曽根康弘氏では1億9300万円、 2007年の宮沢喜一で氏は1億5400万円の費用がかかった。
吉田茂氏以来、“特別”におこなわれる国葬に対して反対の声は根強く、この2億5000万円を社会福祉にあてるべきだ、という意見も多い。
「しかし実際には、2億5000万円どころじゃ済まないですよ。下手をすれば、100億円を超えるのではないでしょうか」
と語るのは、政治部記者だ。
「2億5000万円というのは、会場を借りるお金や、遺影や献花台の設置などにかかる費用です。しかし、安倍元首相は警備の不備のせいで2発も銃撃され、亡くなったわけです。これまで以上に厳重な警備体制を敷くことになり、費用はかさむはずです。さらに、世界中の要人が訪れるとなると、宿泊する場所も手配する必要があります」
では、それらを合算するといくらになるのか、
「東京新聞は、世界各国の要人が集った皇位継承式典関係費として、警察庁は警備費として28億5000万円、防衛省も要人輸送ヘリなどで2億5000万円、外務省も滞在費などで43億1000万円の支出があった、と報じています。これらを合計すると、じつに74億1000万円もの支出となりました。
ほかに、2019年6月28日におこなわれたG20大阪サミットも参考になります。これには、概算要求で外務省が開催費用として247億円、警察庁は警備費として124億円を要求していました。また、政府は75億円を開催準備費として、実際に拠出しています。岸田首相は『国の公式行事として各国の代表を招く形式で葬儀をおこなうことは適切だ』などと、国葬を弔問外交の場としてアピールしていますし、賛成派もこの“利点”を強調する人が多い。しかし、国葬が弔問外交の場であるならば、なおさらG20などと同じような支出が必要になってきます。
いずれにせよ2億5000万という数字は、国葬という“高額イベント”の氷山の一角に過ぎないのです」(同前)
いっそのこと、どこかの宗教団体に巨額の寄付でもしてもらってはどうか。
( SmartFLASH )