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イギリスで3人めの女性首相が誕生「今年に入って3倍の光熱費」庶民の怒りをおさえられるか
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.05 20:35 最終更新日:2022.09.05 20:35
9月5日、イギリス与党「保守党」の党首選がおこなわれ、トラス外相が勝利。6日にエリザベス女王から任命され、サッチャー首相、メイ首相に続くイギリス史上3人めの女性首相が誕生する。
だが、就任早々、難しいかじ取りを迫られることは確実だ。なにせ、7月の消費者物価指数は、前年同月比で10.1%も上昇している。2桁台となるのは実に40年ぶりなのだ。
「なんといっても光熱費の値上がりに、みな怒りの声を上げています。8月26日には、家庭の電気・ガス料金の上限について、80%の引き上げが発表されました。
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80%上がると、標準家庭の年間光熱費は3549ポンド(約57万円)になる見通しです。2022年1月の年平均額は1277ポンド(約21万円)だったので、今年の1月から3倍に迫る勢いです。
イギリス政府は今春、全世帯で6カ月間にわたって毎月約60ポンド(約9700円)の還元を実施しましたが、この支援策が発表されて以降、光熱費はさらに急騰し、『焼け石に水』だと批判されました」(英国事情に詳しいジャーナリスト)
エネルギー調査会社コーンウォール・インサイトの予測では、一般家庭の年額光熱費は2023年1月に5400ポンド(約87万円)、2023年4月に6600ポンド(107万円)を超える見通しだ。
「トラス氏は、付加価値税を現在の20%から15%に引き下げることを検討していますが、減税しても、高騰し続ける光熱費の支払いや食料品などの値上げラッシュで、期待どおりの効果は出ないとの見方もあります。
トラス氏は、光熱費に上乗せされているグリーン税の一時凍結なども約束し、『最初の1週間でただちに光熱費とエネルギー供給に関する緊急対策を打ち出す』と宣言していますが、あまりに急激な値上がりで、『暖房がつけられず冬を越せない』と危惧する声が上がっています」(同)
トラス氏が所属する保守党の支持率は低迷し、最大野党・労働党にリードを許している。世論調査大手ユーガブが8月中旬に実施した調査では、「明日総選挙ならどの党に投票するか」との問いに、労働党43%、保守党28%で15ポイントもの差がついている。
「鉄の女」と呼ばれたサッチャー元首相のように、疲弊したイギリスを立て直すことができるのか、その手腕に注目が集まる。
( SmartFLASH )