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吉村大阪府知事、北朝鮮のミサイルに抗議文21回…ハングルで出すも「屁とも思ってないのでは?」と自虐
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.10.17 15:47 最終更新日:2022.10.17 16:01
北朝鮮がミサイルを発射するたび、金正恩総書記に宛てて、抗議文を送付している人物がいる。大阪府の吉村洋文知事だ。
北朝鮮によるミサイル発射は2022年に入り27回め。大阪府のホームページによると、《大阪府知事 吉村洋文》の署名つきの抗議文は、今年21回も送付されている(10月14日現在)。丸い字体で書かれた文書の中身は毎回同じ内容で、以下のようなものだ。
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《貴国においては、10月14日に弾道ミサイルの発射が行われた。このことは、我が国に対する安全保障上の深刻かつ重大な脅威であり、許しがたい暴挙である。
また、明白な国連安全保障理事会決議違反であり、我が国のみならず、国際社会の平和と安全を脅かす行為で、断じて許せないものである。
ここに、貴国に対し、厳重に抗議するとともに、このような暴挙を繰り返すことのないよう強く求める》
10月4日、吉村知事は会見で「日本が国防についてしっかり議論し、国防力をつけることが必要だ」と語ったが、ある外務省関係者はこう語る。
「吉村知事は、大阪府独自で抗議文を北朝鮮に出していますが、外交や防衛は国の専管事項です。非難することや、議会が声明を出すことはありますが、こうした形で北朝鮮にアプローチするなんて聞いたことがありません」
この関係者が続ける。
「外交では儀礼が最重要で、書簡ひとつ送るのも厳格なルールがあります。けっして粗相があってはならず、古くからの習わしがある独特の世界です」
そういったことを踏まえてこの書簡を見ると、吉村知事が送った抗議文には2点おかしいところがあるとこの関係者は語る。
「まずは様式がおかしいですよね。文章が使いまわしである点は失笑ものです。しかも、吉村知事のサインが画像というのはあまりにもひどい。ほかにも字体が内容と釣り合わないなどツッコミどころ満載です」
抗議文に使われている字体は、「HG丸ゴシックM-PRO」。日経BP社が運営する「日経クロステック」によれば、「ビジネス文書向きではないが、親しみやすさを感じさせたいパンフレットなどには最適」という字体だ。
「そしてもう1点は、どうやって北朝鮮に送ったのかということです。文書は金正恩氏あてになっていますが、外務省では大阪府からの依頼はなく、対応していない。独自のルートを持っているのかもしれませんが、逆にもしそれを利用して北朝鮮と接触しているのであれば、大問題です」(前出・外務省関係者)
大阪府の「政策企画部 危機管理室災害対策課 危機管理・国民保護グループ」に、抗議文はどこにどのように送っているのか、また外交が国の専権事項であることをどう考えるか問い合わせると、以下のような回答があった。
「抗議書は、中国・北京にある在北京北朝鮮大使館に宛てて郵送しております。日本語で送っても意味はないと思いますので、文書は韓国語(ハングル)で送っております。(ホームページに日本語のみを掲載しているのは)府民の皆さんは(韓国語版を載せても)わからないと思いますので。(外交が国の専権事項であることについては)外交云々という意図は、ありません」
14日、林芳正外相は、北朝鮮のミサイル発射を受けて、日本政府が北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難したことを明らかにした。
外務省報道課にどこにどのように送ったか尋ねると、「北朝鮮への抗議は、北京の『大使館』ルートを通じておこないましたが、抗議の内容や形式を含め、これ以上の詳細を説明することは、今後の対応に支障をきたすおそれがあるため、差し控えたいと思います」との回答だった。
前出の外務省関係者は、国が抗議をおこなうなか、大阪府が独自に抗議文を送付していることについて、こう疑問を呈する。
「吉村知事の北朝鮮への抗議文送付は、パフォーマンスとしか思えません。北朝鮮に対しては、国連決議によって国際社会が協同して経済制裁を科しており、非常に慎重な対応が求められるからです」
吉村知事は、10月4日の会見で、大阪府が抗議文を郵送していることについて「正直なところ、金正恩総書記は屁とも思っていないんじゃないか」と語っている。はたして、知事の抗議文は金正恩総書記のもとに届いているのか――。
( SmartFLASH )