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岸田首相、核シェルター整備を検討も「普及率0.02%」…欧米で主流の “エアコン型” は280万円

社会・政治 投稿日:2022.10.19 17:32FLASH編集部

岸田首相、核シェルター整備を検討も「普及率0.02%」…欧米で主流の “エアコン型” は280万円

核シェルターというと地下埋没型をイメージするが…(画像提供・シェルターセンゴク)

 

 岸田文雄首相は、10月17日の衆院予算委員会で、「核シェルター整備が不十分だ」という立憲民主党の岡田克也幹事長の質問に対して、「現実的に対策を講じていく必要があるという問題意識は持っている」と答え、核シェルターの整備を検討することを表明した。

 

 2022年に入って、北朝鮮はすでに27回もミサイルを発射している。2020年の4回、2021年の8回と比較しても実験回数は飛躍的に増加しており、国民の生命や安全を守ることの重要性が高まっている。

 

 

 しかし、日本の核シェルター普及率は0.02%にすぎない。スイス、イスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、ロシアが78%であるのに対し、あまりに低い数字だ(NPO法人「日本核シェルター協会」2002年調べ)。

 

 今回、岸田首相が示した方針によって、日本の核シェルター事情はどう変わっていくのか。有限会社シェルターセンゴク(長野県長野市)の大門克鳳社長に話を聞いた。

 

「国会で核シェルターについて議論が交わされたことはよかったと思います。中国や韓国に比べても、日本の普及率は圧倒的に低いですから。弊社も、ホームページへのアクセスは増えていますが、切迫感がないためか、実際の問い合わせはまだ増えていないのが現状ですね」

 

 では、家庭用の核シェルターはいくらから導入できるのか。

 

「家庭用のシェルターの場合、150万円程度から設置することが可能です。核シェルターというと、地下埋没型のものをイメージされるかもしれませんが、欧米で広く普及しているのは、爆風や熱線ではなく、着弾後の放射線物質から身を守るためのシェルターです。

 

 たとえば、イスラエル製の『レインボー36V』は、エアコン型の空気ろ過フィルターで、リビングやオフィスに設置できます。工事は、部屋の壁に吸気口と排気口を開けるだけで、3~4時間で取り付けられます。価格は280万円です。

 

 ろ過装置が始動すると、室内の気圧が高まり、放射能が室内に入ってくることがありません。いわば超高性能の空気清浄機で、2週間程度の食料や水、簡易トイレを前もって準備しておけば、その部屋がシェルターになるのです。

 

 核攻撃が起こると、地下室などの密閉された空間に何カ月も避難しなければならないという印象があるかもしれません。通常、核攻撃は原発や軍事基地が標的になることが想定されますから、そうした施設の近くに住んでいないかぎり、放射性物質から身を守ることができるシェルターを備えていれば十分だと思います」

 

 平壌郊外からミサイルが発射されたとして、東京に到達するまでは10分足らず。自宅に核シェルターがあれば、家族や大切な人たちを守ることができるのだ。

( SmartFLASH )

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