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医師が自身の診療報酬公開、コロナ予算17兆円の影響で「9人診療しただけ」で3倍に「こんなにもらう筋合いない」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.01.23 17:13 最終更新日:2023.01.23 17:17

医師が自身の診療報酬公開、コロナ予算17兆円の影響で「9人診療しただけ」で3倍に「こんなにもらう筋合いない」

コロナ対策に関する支出には不透明な部分も多い(写真は財務省本庁舎)(写真・時事通信)

 

 ある医師が発信する、日本の新型コロナ対策における「不都合な真実」に注目が集まっている。

 

 1月20日、鹿児島読売テレビの情報番組『かごピタ』に出演した、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、「財務省が激怒!? 使いすぎ新型コロナ予算」のテーマで解説をおこなった。

 

 森田医師がまず示したのは、財務省が2022年11月に公表した「社会保障」に関する資料。新型コロナに伴う医療関係で、17兆円の国費による支援がおこなわれてきたと説明した。資料によると、その内訳は

 

 

・緊急包括支援交付金等(病床確保、医療従事者への慰労金など)7.6兆円

 

ワクチンの確保・接種 4.7兆円

 

・治療薬の確保 1.3兆円

 

・ワクチン・治療薬の開発等 1.3兆円

 

 などとなっている。森田医師は「国が1年で子供の教育に充てるのは4兆円、防衛費で5兆円」だと、その規模の大きさを説明する。

 

 そして、新型コロナ患者のための「病床確保料」が、2年間で約3兆円交付されたことを指摘。平時であれば、病床1床あたりの1日の入院診療売上が3万5974円なのに対し、コロナでICU(集中治療室)病床に入れば約12倍の43万6000円、HCU(高度治療室)では6倍近い21万1000円にもなる、と説明した。

 

 その結果、病院は経営が一気に好転。コロナ禍前の2019年までは総じて赤字経営だった公立病院が、今度は大幅な黒字に転じたという。

 

 2022年9月に総務省が公表した資料によると、公立病院全体の経営状況は、2019年が984億円の赤字。それ以前もおよそ同程度の赤字が続いていた。それが、2020年は1366億円の黒字、2021年は3296億円の黒字になっている。

 

 森田医師はさらに、自らが経営するクリニックの診療報酬(売上)を公開。100万円を少し超える程度だった売上が、クラスターの診療を手がけた2022年の3月には284万円超、そして12月には約355万円にもなったことを明らかにした。この355万円は、過去最大の売上だったが、実際に森田医師が診療したコロナクラスターの患者はわずか9人。うち8人は翌日に熱が下がる軽症者で、「ほとんど何もしていない」という。そして「僕自身は、こんなにもらう筋合いはないと思う。そもそも、国民に必要な医療を適正に提供するのが、僕らの仕事」だと語った。

 

 そして最後に、ワクチンの予算について解説。国が製薬会社と契約しているのは合計8億8200万回分だが、実際の接種回数は3億2031万回で、4億5500万回以上のワクチンが未接種。契約の支払い額、2兆4000億円あまりのうち、1兆2400億円以上が余っている状況だとした。

 

 森田医師に話を聞いた。

 

「現在、新型コロナウイルス感染症を5類に見直す話が進んでいますが、多くの医療関係者が反対しています。それぞれの立場があるとは思いますが、こういう事実があることを、多くの人に知ってもらって、そのうえで議論がされたほうがいいのではないでしょうか。

 

 日本でも、コロナ死が増加していることが話題となっていますが、そのほとんどが高齢者で、死亡者の平均年齢はほぼ平均寿命と同じです。コロナ禍の前から、肺炎で亡くなる人は12万人もいます。なぜ新型コロナだけを特別視するのか。諸外国の多くはすでに、コロナ禍を脱して次の段階に進んでいます。日本だけ、いつまでこんなことを続けるのか。その結果、日本の社会がどうなっていくのか。

 

 医療に携わっていると、どうしても視野が狭くなりがちなのですが、もっと社会を俯瞰して考えることも必要だと思います」

 

 森田医師のTwitterには

 

《9人しかコロナ患者みてないのに収入3倍になるって事は…他の病床抱えてるような病院はものすごいんでしょうね…》

 

《よくぞ診療報酬を公開してくれました、これじゃぁ平時に戻す事に病院、医師は反対するわけだ》

 

《全国放送で取り上げて欲しいです》

 

 などのコメントが寄せられている。

( SmartFLASH )

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