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ロシア産ウニを「利尻産」と偽装で逮捕 ふるさと納税で相次ぐ産地偽装&収賄発覚に「不正の温床」化の懸念

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.05 19:00 最終更新日:2023.04.05 19:05

ロシア産ウニを「利尻産」と偽装で逮捕 ふるさと納税で相次ぐ産地偽装&収賄発覚に「不正の温床」化の懸念

北海道利尻町のふるさと納税の返礼品として出荷されていた産地偽装のウニ(北海道警提供 写真・時事通信)

 

 4月5日、ふるさと納税返礼品の産地を偽装したとして、北海道の水産加工会社の元社長が逮捕された。同社は、北海道利尻町から返礼品の「利尻産蝦夷ばふんうに」を受注。ウニには、ロシア産のものが混ぜられていたにもかかわらず「北海道利尻産」と表示していた。返礼品を受け取った人から「苦い」「色が汚い」などの苦情が相次いで寄せられ、町が調査したところ、偽装が判明した。

 

 背景にあるのは、コロナ禍による「巣ごもり需要」だ。利尻町のふるさと納税額は、2019年度まで1億3000万円前後だったが、2020年度は約2億4000万円、2021年度は約5億6500万円と急増。同町の特産で、高級品のウニは人気の返礼品で、今回、摘発された会社の受注も、2020年度が約3000件、2021年度が約1万2000件と激増していた。

 

 

 逮捕された社長は容疑を認め、「在庫不足になっていた」と説明しているという。水産加工会社はすでに、利尻町に5876万円の賠償金を支払っている。

 

 ネットでは、偽装した業者に憤る声だけではなく、

 

《加工業者は当然責任あるが、行政側も知ってた可能性ありませんかね?地元の加工業者の規模や生産能力ぐらい把握してる筈だから、受注過剰になったら何するかぐらい解るでしょ》

 

《各自治体は地元企業の能力を監査する必要があるよ》

 

など、自治体のチェック体制への批判や、

 

《ふるさと納税を金の成る木にしている悪徳業者が、実はいっぱいいるのではなかろうか。返礼品という曖昧な制度の中で、不正が横行しているのでは》

 

と、ふるさと納税そのものに対する不信の声が多数ある。

 

 実際、近年、ふるさと納税にかかわる不祥事が多発している。

 

・2018年、県外産のマツタケを「八幡平市産マツタケ」と偽り、岩手県八幡平市の返礼品として送付した業者が、不当競争防止法違反の疑いで逮捕。

 

・2020年、高知県奈半利町の職員が、返礼品を扱う業者に便宜を図った見返りにわいろを受け取ったとして受託収賄の疑いで逮捕。受け取った賄賂は約9200万円。

 

・2021年から2022年にかけて、福岡市の食肉加工業者が佐賀県以外の国産牛肉を「佐賀産」といつわり販売。同社は、佐賀県上峰町の返礼品業者に牛肉を販売しており、約15tが「佐賀産和牛」として出荷された。同社は「受注した量の佐賀県産肉を確保できなかった」と説明。

 

・2022年、奈良県大和高田市の食品販売会社が中国産ウナギを「国産」と偽って販売していたことが発覚。同社は大和高田市の返礼品も受注していた。

 

・2023年2月、ふるさと納税事務を担当していた山形県寒河江市の元市職員が収賄の容疑で逮捕。農産物加工販売業者も贈賄容疑で逮捕された。職員は、返礼品協力事業者として承認する便宜を図った見返りとして、業者から数十万円を受け取っていた。

 

「税制を通じてふるさとへ貢献する仕組み」として始まったふるさと納税だが、もはや「不正の温床」といわれても仕方がない状況だ。いま一度、制度を見直す時期なのではないか。

( SmartFLASH )

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