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猿之助容疑者「逮捕」で浮上する「名跡はく奪計画」捨てがたい歌舞伎の才覚活かすべく「作家転身」の可能性も

社会・政治 投稿日:2023.07.04 06:00FLASH編集部

猿之助容疑者「逮捕」で浮上する「名跡はく奪計画」捨てがたい歌舞伎の才覚活かすべく「作家転身」の可能性も

2013年、先代の市川團十郎さんの通夜にて。猿之助と、今回亡くなった段四郎さん(奥)が同じ車に乗って会場を後にした

 

 東京・目黒の自宅で死亡した母親の自殺を手助けしたとして、6月27日に自殺ほう助の容疑で逮捕された、歌舞伎俳優市川猿之助容疑者。容疑に関して、任意聴取の時点で「家族会議がおこなわれ、みんなでさよならすることにした」と語り、容疑を認めているという。

 

「歌舞伎座の7月公演が7月3日に初日を迎えますが、現場はそれどころではありません。猿之助容疑者の逮捕で稽古場はお通夜状態。彼の話は完全にタブーで、猿之助の『え』の字も口にできない重苦しい雰囲気ですよ。

 

 猿之助さんのいとこにあたる市川中車(香川照之)さんが、みんなを集めて『澤瀉屋(おもだかや)は自分が率いていく』と宣言したのはいいですが、実際には澤瀉屋を辞めたいという志願者が続出しています。7月の昼の部のチケットは半分も売れていないようです。

 

 

 そのうえ、中車さんにいたっては、7月公演で猿之助さんが演じるはずだった主役の代演を担当しますから、6月以上に稽古に余裕なんてありません。見た目もやつれて、かわいそうと方々で声が上がっています」

 

 そう語るのは、ある歌舞伎関係者だ。事件以降、猿之助が抜けた穴を、息子の市川團子(だんこ)とともに埋めようとしてきた市川中車。彼にはいま、もうひとつ抱えている問題があるというのだ。

 

「じつは、中車さんが『猿之助』の名跡を容疑者から取り上げる、という話が出ているんです。松竹は、いまは七月大歌舞伎を無事に進めることが第一ですから、それ以降、中車さんと話し合いがもたれるんじゃないでしょうか」(同前)

 

 もっとも、この「名跡はく奪計画」は、中車が自ら提案した話ではないという。むしろ、松竹が画策しているというのだ。

 

「当初、松竹は演出や脚本だけでも猿之助さんにやってもらいたいと考えており、猿之助さんの『引退させてくれ』という願いも拒否してきたといいます。しかし、それも今回の逮捕で事情が一気に変わってしまいました。世間からの目線がより一層、厳しくなったうえに、刑期を終えて出てくるのに、少なくとも1年以上かかるとみられていますからね。

 

 そうなってくると、表舞台にずっと出てこないにもかかわらず、猿之助の名前を名乗られていては、商売上、迷惑。だから、とっとと名前を取り上げて、彼には廃業してくれ、と。

 

 そうすれば猿之助の名前をつぶさずに済みますし、基本給を猿之助さんに渡さなくてよくなりますからね。市川團子さんの人気が高いうちに、一刻も早く澤瀉屋を率いていってもらおうというのが、いまの松竹の意向です。

 

 それに、演出家としては、みんなを指導していく立場ですから、名前を呼ぶことすらタブー視されてしまった人にみんながついていくとは思えません。猿之助さんも、こうなった以上は表舞台に出てくる仕事はしたくないでしょうしね」(同前)

 

 しかし、復帰嘆願書を若手一同から集めるという話もあったほど、猿之助への一門からの信用は高かったのも事実だ。いまだ歌舞伎への才覚に対する信用は厚い。そこでいま、もっとも可能性のある“進路”として考えられているのが、作家への転身だという。

 

「いちばん考えられるのは、ペンネームで作家になること。これなら刑務所のなかでも活動できますし、猿之助さんだとバレずにできる。たしかにこの『一家心中騒動』は歌舞伎界にとって大きな衝撃をもたらしましたが、裏を返せば、それだけ猿之助さんの才能自体は大きかったということです。

 

 これまでどおりのかかわりあい方じゃなくていいから、がんばって仕事を続けてほしいと思っている関係者もまだたくさんいます。歌舞伎界がダメでも、“敗者復活戦”があってもいいじゃないですか」(同前)

 

 猿之助の名前がはく奪されても、その才能は埋もれないでほしい――。歌舞伎界はいま、こんないたたまれなさで包まれているのだろう。

( SmartFLASH )

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