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岸田首相「原発処理水」放出で説得に乗り込むも、やまぬ反対…「時期は未定」「来春から放出」発言ブレブレのチグハグ感

社会・政治 投稿日:2023.08.20 15:40FLASH編集部

岸田首相「原発処理水」放出で説得に乗り込むも、やまぬ反対…「時期は未定」「来春から放出」発言ブレブレのチグハグ感

写真:ロイター/アフロ

 

 8月20日、岸田文雄首相は東京電力・福島第1原発を訪れ、原発から生じた処理水の放出設備などを視察した。

 

「処理水を貯蔵しているタンク(計137万トン)は、2024年の春には満杯になるとみられています。そのため、最終的に岸田首相が地元の理解を得るため現地に乗り込み、『海洋放出待ったなし』の状況を説明、説得にあたりました。

 

 しかし、これまで福島県漁連との話し合いはずっと平行線でした。政府は2015年から風評被害対策などの支援として計800億円の基金を創設しましたが、福島県漁連も全漁連(全国漁業協同組合連合会)も放出反対の立場は今もまったく変わっていません。

 

 

 IAEA(国際原子力機関)が7月に『国際的な安全基準に合致している』『中立的で科学的な評価に自信を持っている』と報告書にまとめたときも、全漁連の坂本雅信会長は『科学的な安全性に関しては一定程度理解できた』と述べるにとどめました」(政治担当記者)

 

 ところが8月7日、岸田首相が記者団に「漁業者との信頼関係は少しずつ深まっている」となんの根拠もなくフライング発言をしたため、福島県漁連の野崎哲会長は「なにを捉えて理解が進んでいるとおっしゃっているかわからない」と苦言を呈したと報じられている。

 

「これまで、松野博一官房長官は『関係者の理解がなければ処理水のいかなる処分もおこなわない』、西村経産相は『なにか具体的な時期を決めているわけではない』と明言、岸田首相も『いま現在、具体的な時期、プロセスなどについて決まっているものではない』と話してきました。

 

 その一方、首相は『国として判断すべき最終的な段階に至っている』『(放出時期は)ことし春から夏ごろを見込むと申し上げてきた』と述べるなど、政府のチグハグ感が目立っていたのです。それが、地元住民を苛立たせ、政府不信につながっています。

 

 地元からは、『少子化対策の財源や防衛予算の増税は先送りするのに、処理水放出はスケジュールどおりだな』との皮肉も聞こえてきます」(同)

 

 ネットニュースのコメント欄にも、

 

《順番が逆ではないかな。漁業者と政府で議論を重ね落としどころが確定してから実務工程を発表する。更にいえばトップの直談判は初期にやってこそ誠意をみせられる》

 

《「理解が得られなければ放出しない」という一方で、着々と流す準備してて「理解得られなくたって流すの決まってますから」っていうのが見え見えの状況でほんと馬鹿にしてる》

 

《処理水の放出が決まっているのに、寄り添うようなそぶりをして良い子になりたいような行動はすべきでない》

 

《政府・国のトップとして現地に行き、漁業関係者と話すことはわかる しかし何故行く前に『漁業者との信頼関係は少しずつ深まっている』なんて言うのだろう》

 

 など批判の声が圧倒的だった。

 

 岸田首相の「聞く力」は、今回も弱かったのかもしれない。

( SmartFLASH )

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