社会・政治社会・政治

橋下徹氏、万博リング「太陽の塔のような大阪のシンボルに」発言で “違和感” 続出「芸術作品と日よけを同一視」「予言者みたい」

社会・政治 投稿日:2023.11.16 19:04FLASH編集部

橋下徹氏、万博リング「太陽の塔のような大阪のシンボルに」発言で “違和感” 続出「芸術作品と日よけを同一視」「予言者みたい」

 

 2025年大阪・関西万博で、会場中心部に設置される環状の「リング」(大屋根)について、万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が、解体せずに会場の夢洲(ゆめしま)に残すか、別の場所に移設する案も検討していることがわかった。11月14日、産経新聞が報じた。

 

 同日、会場プロデューサーで「リング」を設計した建築家の藤本壮介氏が、大阪市で開かれている参加国を集めた国際会議で明らかにしたという。

 

 

「リング」で使用する木材は約2万立法メートルで、幅30メートル、高さ12~20メートル。会場中心部を取り囲み、来場者は屋根の上と下を回遊できる世界最大級の木造建築物となる。

 

 建設は6月末から始まっており、2025年2月ごろの完成を目指している。

 

 これまで万博協会は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、万博閉幕後には解体し、木材を民間に売却する方針を示していたが、14日に始まった国際会議で、藤本氏は「リングを残すか、移設することも検討しているが、場所は決まっていない」と述べた。

 

「リング」については、350億円もの巨額の建設費がかかることから、国会で「無駄遣い」などと批判が出ていた。

 

 11月8日、自見英子(はなこ)万博担当相は衆院内閣委員会で、「リング」について、「夏の暑い時期に開催される。日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす」と述べ、批判を浴びていた。10日の記者会見では、「再設計することは考えていない」とも発言している。

 

 11月15日、日本維新の会の創始者で弁護士橋下徹氏は、自身の「X」(旧Twitter)に産経新聞の記事を貼り付けたうえで、こう連投した。

 

《話題の万博リンク。今の段階で撤去を確定するのは循環型経済を目指す時代に合わない。万博後どうするかは検討すればいい。1970年大阪万博の太陽の塔も当時は無駄だとボロクソに批判されていた》

 

《当時太陽の塔は撤去の予定だった。それが土壇場で残すことに方針転換。確かに太陽の塔は大阪府民、関西府県民の生活に必要不可欠なものではないが、今、大阪、関西の大切なシンボルであることを否定する人は少ないだろう。万博リンクも何十年後かにそのようなシンボルになることを願う。過去の経験から将来を予測するのが知恵であり政治だ。リンクも完成すれば多くの人々はビックリして、残して欲しいと願うだろう。そのときに、今、無駄だと言っている者の顔をしっかり思い出せるように、覚えておこう。》

 

 だが、この橋下氏の見解には、SNSで「違和感」を表明する声が続出した。

 

《なんか自分のことを予言者とか神様と思っているかのような発言だよな…》

 

《太陽の塔って芸術家がつくった芸術作品ですよね。リングって日よけなのでしょ。一緒にしちゃいます?芸術と日よけ・・・・》

 

《シンボル的な存在の太陽の塔と、会場の大半を占める巨大な建造物の万博リング を同列に並べるのは無理がある。そもそも「建てるのやめろ」と言われてるから、「建設後のストーリー」を勝手に太陽の塔と一緒にしているだけて、いつもの論点ずらしでしかない。「建ててしまえばなんとでもなる」と?》

 

 11月16日には、大阪府の吉村洋文知事が『堀潤モーニングFLAG』(東京MXテレビ)に出演。橋下氏と同じく、1970年大阪万博の「太陽の塔」を引き合いに出して、「リング」について保存の可能性があるとの考えを示した。

 

 この日、番組に出演した前明石市長の泉房穂氏は、「350億円使わなくてもモニュメントはできる。350億円といえば東京ドーム1つ作れる話。それを半年で壊してしまう。金額が大きすぎる」と見解を述べた。

 

 すると吉村知事は「いまは無駄じゃないかと言われるが、開催されると、この木造リングをレガシーとして残そうという意見が必ず出てくると思う。2年後に答え合わせをしていいと思っている。その時は政治的決断をしなければいけない」と、突然、保存する可能性があることを示唆した。

 

 だが、泉氏は仮定の話に納得いかない様子で、「いま決めたほうがいい。止めるなら止める、残すなら残す、解体するなら解体する。それを決めるのが政治家の仕事」と問うた。

 

 だが、吉村知事は、「1人で決められる話ではない。いまみんなで決めた話では、(解体し)再利用するのが方向性」と答えるのみ。

 

 実はXでは、こんな意見も――。

 

《移設の費用は?移設しないなら年間に掛かる維持費は何処が負担する?常に潮風に晒されている木材や結合部に使われている金属はステンレスなのかね?潮風に晒されたらステンレスでも腐食しますよ》

 

《潮風吹きっさらしだし、大阪はこのレガシーの維持費に税金捻出必至になりそうだね。維持費試算は出てるのかな?》

 

《虫も湧くし、維持費もやもんなぁ》

 

 当初、売却を予定していた以上、移設費用や維持費は想定されていないはずだ。そもそも、「リング」は当初の計画にはなく、建築家・藤本氏の要求で2020年12月に加わったもの。もともと解体予定だったものを、批判が高まるといきなり「保存する可能性」に方針転換して納得できるはずがない。

 

 維新の結党以来の党是である「身を切る改革」はどこへ行ってしまったのか。

( SmartFLASH )

続きを見る

社会・政治一覧をもっと見る

社会・政治 一覧を見る

今、あなたにおすすめの記事