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乗車禁止の異常事態も!「ダイハツ難民」発生の最悪シナリオ…「売れない」で所有者は大損も「安値で叩き買い」の動きまで

社会・政治 投稿日:2023.12.23 06:00FLASH編集部

乗車禁止の異常事態も!「ダイハツ難民」発生の最悪シナリオ…「売れない」で所有者は大損も「安値で叩き買い」の動きまで

ダイハツの直営販売店にならぶ車両(写真・つのだよしお/アフロ)

 

「ダイハツが不正をおこなっていたと報道で知ったときは驚きました。なぜこんなことをしてしまったのか。今回の問題は車両全体の安全性にかかわる不正行為です。一部パーツを交換するようなリコールで済む話ではなさそうです」

 

 そう話すのは、自動車ジャーナリストの萩原文博氏だ。

 

 

 12月20日、自動車メーカー「ダイハツ工業」は、車両の安全性に関わる認証試験での不正が確認されたのが64車種、174件に上ると発表した。

 

 同社が設置した外部弁護士らによる第三者委員会が発表した社内調査の報告書によると、不正は古いもので1989年からおこなわれていたという。

 

 不正が確認されたのは「ミライース」「タント」など、ダイハツの主要車種にとどまらず、ダイハツが製造だけを請け負う他社製品も含まれており、ダイハツの親会社であるトヨタ自動車やマツダ、スバルが販売中の車種も名前が挙がっている。

 

 国交省はすでにダイハツに対し、安全性などが国の基準に適合していると判断できるまでの全車種の出荷停止を指示している。

 

 軽自動車で国内トップシェアを誇っていたダイハツ。それだけに、同社の車を運転している人も多いだろう。ダイハツ車のオーナーは今後どうなっていくのか――。

 

 萩原氏が続ける。

 

「悪質なものでは、人気車種の『ムーヴ』などで、側面衝突試験で衝撃を検知してエアバッグを自動作動させる検査に対して、タイマーでエアバッグを作動させるという不正行為が確認されています。

 

 普通に運転するには、安全面で大きな問題はないかもしれませんが、万が一、事故が起きたときにちゃんとエアバッグが作動するという保証はありません。事故を起こさないような安全運転がこれまで以上に必要ということです。

 

 それにエアバッグ単体の不正だけでなく、車両側面の強度不足も確認されれば、車そのものを替えなくてはいけません。

 

 最悪のケースは、国交省がダイハツ車の認証を取り消す場合で、そうなればダイハツ車に乗ることは許されなくなります。日本中に『ダイハツ難民』があふれることになり、ダイハツに損害賠償を求めるしかなくなります」

 

 大きな被害を受けるのは、ダイハツ車のオーナーだけではないかもしれない。

 

 中古車業界最大手「BUDDICA(バディカ)」の中野優作社長も困惑の様子でこう語る。

 

「ダイハツ車をすでに契約している人で、まだ納車されていない人については、キャンセルを受けつけています。国交省はまだ、ディーラーに対して『販売してはいけない』とは言っていません。

 

 しかし、ディーラーに対しても販売停止措置が取られた場合、ダイハツ車はすぐにオークションに出されるでしょう。ダイハツ車があふれて価格は暴落しますが、海外のバイヤーは買ってくれるはずですから。国内でも、ダイハツ車の中古価格が安くなることを期待する人もいて、問い合わせはあるんです。

 

 不正には驚きましたが、これまでダイハツに食べさせてもらってきたことも事実。いま会社で所有しているダイハツ車を売却できたとしても赤字になるでしょうが、もう腹は括っていますよ。

 

 とにかく、ダイハツには是正を期待するしかないです」

 

 2023年は中古車販売大手「BIG MOTOR」でも保険金不正請求や杜撰な販売体制が明らかになった。このままでは、ダイハツ難民どころか、自動車業界そのものが崩壊しそうだ。

( SmartFLASH )

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