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清和会は福田派vs.高市派に分裂、麻生派にも“裏切り”の危機…自民党「新・派閥のたまご」勢力図

社会・政治 投稿日:2024.02.14 06:00FLASH編集部

清和会は福田派vs.高市派に分裂、麻生派にも“裏切り”の危機…自民党「新・派閥のたまご」勢力図

 

「今、自民党内で起きている事態は、派閥解散ではなく“派閥再編”ですよ」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 

 現職国会議員逮捕者まで出した、派閥の政治資金パーティーをめぐる“裏金”事件。1月18日に、岸田文雄首相が宏池会の解散に言及して口火を切った後、清和会、志帥会など、おもな派閥が次々と解散を発表した。

 

 

「森山派や谷垣グループも解散したため、残るは茂木敏充幹事長率いる平成研究会と、麻生太郎副総裁率いる志公会のみです。しかし、平成研究会は小渕優子党選対委員長や石井準一参院国対委員長ら幹部クラスが次々と抜け、志帥会からも岩屋毅元防衛相が離脱するなど影響が出ています」(政治部記者)

 

 カネとポストに群がる烏合の衆は消え、政策集団が躍動する新たな自民党に生まれ変わる……とはいかないようだ。冒頭のとおり、永田町に詳しい識者の間では「派閥が再編されるだけだ」という声がもっぱらなのだ。そこで本誌は、新たな“派閥のたまご”を徹底取材。勢力MAPを作成した。元朝日新聞デスクで、政治ジャーナリストの鮫島浩氏はこう語る。

 

「まず、清和会の分裂は間違いないでしょう。主流を率いるのは、福田達夫議員。もともと、清和会を設立したのが祖父の福田赳夫氏ですから、当然ですね。しかし、若手や中堅クラスには圧倒的に安倍チルドレンが多く、彼らはタカ派なのでリベラルな福田議員とは反りが合わない。

 

 そこで高市早苗議員と合流し、新たなタカ派集団を作る可能性が高そうです。とはいえ“福田派”は20~30人の規模にはなるでしょうから、総裁選でかなりの力を持つでしょう」

 

“主流”が残らずに、霧散しつつある派閥もある。

 

「志帥会ですね。そもそもこの派閥は裏金事件以前に、高齢の二階俊博会長の後継をどうするのか岐路に立たされていました。そのなかで武田良太議員は、菅義偉前首相とのパイプが太く、二階派若手議員のまとめ役でもある。彼を中心に、新勢力が生まれるか注目です」(鈴木氏)

 

 総裁派閥である宏池会は、「解散直後から『連絡を取り合いながら結束はしていこう』という申し合わせがあった」(鈴木氏)というから、実質そのまま。だが、“謀反人”はどこにでもいるものだ。

 

「岸田首相の後継者は林芳正官房長官ですが、その対抗馬が小野寺五典議員。小野寺議員は、平成研究会を割って出た小渕氏と仲がよく、小渕氏の自宅に近い裏渋谷の居酒屋によく集まっています。

 

 小渕氏はボロボロの茂木派の次を担う議員ですから、大きなパイプです。さらに小野田紀美ら、タカ派の議員とも関係がいい。旧派閥を縦断する一大勢力を築くかもしれません」(自民党関係者)

 

 麻生副総裁の志公会も、“裏切り”の危機だ。

 

「麻生氏は、次期総理候補に茂木幹事長や上川陽子外務大臣を推しています。河野太郎デジタル大臣が本気で総理を目指すなら、派閥を割って出る可能性があります」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)

 

 小野寺議員のケースのように、“飲み友達”がまた別の“派閥のたまご”として、結束する可能性もある。

 

「稲田朋美議員が似たようなグループを作っています。松川るい議員や、杉田水脈議員、森まさこ議員など、いわゆる“やらかし”で世間から非難を浴びている女性議員を温かく迎え入れ、世話をしているとか。

 

 野田聖子議員も議員会館の会議室を借りた飲み会で、広い人脈を持つことで知られています。飲み友の浜田靖一議員は、野田議員の総裁選出馬の推薦人にまでなっていますから。いまや“裏”党内最大派閥の呼び声もあります」(政治部デスク)

 

 残念ながら、真の“政策集団”が生まれる気配は、まったくない……。

( 週刊FLASH 2024年2月27日号 )

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