新型肺炎の流行で起きている、“マスク飢饉”。この煽りを受けて泣いているのが、全国の土木作業員だ。
「ふだん使っている業務用の防塵マスクまでが売り切れてしまっていて、非常に困っています。
緊急措置として、会社から家庭用マスクが支給されていますが、現場では使いものにならない。汗でビショ濡れになるし、数時間で真っ黒に汚れてしまいます。いまは水洗いをしながら、1日2つを使いまわしているありさまです」(解体作業員)
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本誌記者が、都内で現場作業者向けの作業服専門店「ワークマン」を複数店舗見てまわると、たしかに訪れた店舗では、使い捨ての防塵マスクが売り切れていた。多くの店舗で、品切れしたマスクの次の入荷も未定。
とある店舗の売り場担当者が、実状を教えてくれた。
「用途がまったく違うのに、『マスクならなんでもいい』というお客さんが連日やってきて、買い占めるんです。わずかに残っているのは、フィルター部分が取り換え可能な高価な防塵マスクのみ。
でも、皮肉なことに、いま買い占められている安価な防塵マスクの大半は、中国製です。なかには、新型肺炎の発生源となった、武漢市内で生産されたものもあると聞いていますよ」
塗装業を営む男性は、「肺炎になる前に、こっちで倒れてしまう」と怒り心頭だ。
「私たちは、作業中にシンナーを使うので、専用の防塵・防臭マスクが必須。いまは家にあるガーゼマスクで代用していますが、シンナーの吸いすぎで、明日にも倒れそうです」
不要な買い占めはやめよう。
(週刊FLASH 2020年2月25日号)