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村上宗隆 祖母、恩師、親友…11人が明かす陽キャな素顔 巨額寄付にレアスニーカー爆買い、カネ遣いも“世界の本塁打王”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.07 06:00 最終更新日:2022.10.07 06:00

村上宗隆 祖母、恩師、親友…11人が明かす陽キャな素顔 巨額寄付にレアスニーカー爆買い、カネ遣いも“世界の本塁打王”

ファッションを通じて意気投合し、一緒にショップを巡り歩いたという上田剛史氏

 

「まさに“村神様”ですよ。ヤクルト優勝の原動力となりました。今季のMVPは間違いありません」(球団担当記者)

 

 10月3日、王貞治氏の記録を超える56号本塁打を放った村上宗隆。世界に誇れる本塁打王は、リトルリーグ時代から快音を響かせていた。村上が小学6年から所属していた硬式野球チーム「熊本東リトルシニア」の吉本幸夫監督が語る。

 

 

「チームでは誰にでも目一杯バットを振らせていたんです。村上くんも体が大きくなるにつれ、飛距離が出てきました。うちのグラウンドは、ホームと柵までの距離が特殊で、レフトは105Mほどですが、ライトは85Mと短かったんです。彼が打球を引っ張ると、柵越えして民家の屋根や壁を壊すんですよ(笑)。中1の秋から捕手をやらせましたが、試合でもよく声を出して、チームのまとめ役でした。前向きな性格でしたからね」

 

 村上のパワーの“犠牲”となったのが、グラウンド近くに住む濱田雅之さんだ。

 

「村上くんが打つと、私の畑や小屋にまでボールが飛んでくるんです。下級生が拾いに来ても漏れが出るでしょう。それが今でも残っていて、40個くらいはありますよ。何人かにはあげましたが、取材に来られた方が『ボールは記念になるのであげないほうがいい』と言うので、それを聞いてからはあげていません(笑)」

 

 熊本で頭角を現わした村上は、中学生のときに九州選抜に選ばれ、台湾遠征を経験した。そして、ここで同学年の“ライバル”と出会った。「熊本北リトルシニア」に在籍していた西浦颯大氏だ。

 

「中学時代に何度も試合をしていましたから“東”にもいい打者がいるな、と思っていました。体も大きくて長距離打者でしたが、すごいとは思わなかった。中学までは僕のほうがすごかったですから(笑)。ただ、高校時代に一気に伸びて、ドラフト直前のころには、バケモノのような長打力だと思いましたね」

 

 2018年には村上がヤクルト、西浦氏がオリックスに入団。西浦氏は特定疾患である両側特発性大腿骨頭壊死症を患い、昨年引退したが、交流はいまも続いている。

 

 九州学院高校に進学した村上との忘れられない思い出を語ってくれたのは、当時監督として指導した坂井宏安氏だ。

 

「3年最後の夏に県予選で負けたときのことです。下級生がベンチで泣いていると、主将の村上が『お前たちはよく頑張ってくれた。そのおかげで、俺たちはここまで来れた。俺たち3年生の責任だから、お前たちは泣くな。相手のベンチを見てみろ。あんなに喜んでいるぞ。来年はお前たちがああなってくれ。ありがとう』と言って、彼は泣きもしなかった。すごいキャプテンシーですよ。学校に帰り、僕とベンチで2人きりになったとき『先生をもう一回、甲子園に連れて行きたかった』と言って、涙をこぼしたんです。青春ドラマみたいでした」

 

 その実直な人柄は、幼いころから培われていた。祖母が語る。

 

「私には孫が5人いるんですが、みんないい子ばかりなんです。いい両親に、素直に育てられたんです。感謝の気持ちを忘れないように、と育てられていましたね」

 

 現在、推定年俸2億2千万円の村上。故郷への感謝の仕方は“キング”らしく豪快だ。プロ入り2年めの2019年から、熊本城復旧のために巨額の寄付をしているのだ。

 

「金額は公表していませんが、毎年多額の寄付をいただいております。天守閣に上がっていただき、直に復旧の進み具合を確認していただきたいですね」(熊本城総合事務所・田端文一所長)

 

 寄付金は、本塁打数や打点を基準にしているというから、今季はかなりの金額にのぼるはずだ。

 

 プライベートでも、豪快エピソードは尽きない。ヤクルトOBの上田剛史氏が語る。

 

「神宮のロッカーが隣だったこともあって、よく一緒に行動していましたよ。お互いファッションに興味があって、地方遠征に行くとみんなは観光地に行くけど、僕らはショップ巡り。ムネはスニーカー集めが趣味で、とくにナイキの限定品やコラボもの、抽選でしか買えないレアなものが大好物。自主トレで米国に行ったときは、日本では手に入りづらいものが店頭で普通に売っていたので、目がギラギラに。1時間以上買い物をしていました。今、どれだけレアスニーカーを持っているのか想像もつきません(笑)」

 

 陽気で豪快な肥後もっこす。活躍の要因は、勝利への執念だという。

 

「今季は途中でバットを変えたんです。それまではオーソドックスなものを使っていましたが、グリップがなだらかなタイカップ型を青木宣親選手から借りてみたらしっくりきたらしく、以降それを使っています。シーズン中に変えることはなかなかありませんよ。それほどチームの勝利にこだわっているということです」(前出・担当記者)

 

 その効果が表われているのか「今季の村上には死角がない時期があった」とヤクルトOBの広澤克実氏は語る。

 

「とくに7月から9月の前半にかけて、あらゆる配球が村上には通用しませんでした。たとえばインハイを投げた後、アウトローに投げても、軽くスタンドまで持っていくし、ストライクで追い込んでボールでしとめようとしても、けっして振らないんです。僕らが子供のころ見ていた王さんを連想させられました」

 

 元メジャーリーガーの野村貴仁氏も村上を認める一人だ。

 

「打席に入る際、足元の土をならすなど、自分のペースで、ルーティンが長い(笑)。投手はペースを崩されやすいですよね。まるで落合博満さんのようです。大振りしているように見えますが、腕を畳んでコンパクトなスイングをするし、外角は手首を立てたまま打ち、真ん中高めはセンターへ……。手に負えないですよ」

 

 当然、将来的にはメジャー挑戦が見えてくる。

 

「米国ではジャッジの本塁打で持ちきりですが、日本にも王さんの本塁打数を超えた打者がいると紹介されるなど、注目されています。まだ22歳ですが、ポスティングで行くとなると争奪戦は必至。鈴木誠也が年俸20億円で5年契約していますが、そこが最低ラインでしょう」(メジャーリーグ評論家・福島良一氏)

 

 無限の可能性を秘めた若い大砲の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 

写真・時事通信

( 週刊FLASH 2022年10月18日・25日合併号 )

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