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堂安律は「日本舐めんじゃねえ」鎌田大地ら“ビッグマウス”放言のサムライブルーがこれまでとは違う理由
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.28 06:00 最終更新日:2022.11.28 06:00
FIFAワールドカップは、“世界最高の祭典”であると同時に、“選手の見本市”とも呼ばれている。
大会には各国のクラブチームのスカウトが集結し、活躍した選手は、より好条件で移籍していくからである。
その意味でも、日本がドイツを2-1で下した初戦のインパクトは大きかった。
なかでも、同点ゴールを決めた堂安律(24)は、「(交代出場してからのゴールは)俺しかいないと思っていた」といった“ビッグマウス”ぶりも注目を集めた。その勢いは、翌日の取材対応でも変わらなかった。
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「(大会前から)ヨーロッパがアジアを舐めているところがあったので、ふざけるなよって思っていました。独・フライブルクでプレーしているときも『(日本と対戦する)ドイツは余裕だね』って周囲が発言していたので、見返してやろうと思っていました」
歯に衣着せぬビッグマウスで注目される堂安だが、ピッチを離れると、礼儀正しい年相応の青年に戻るところも彼の魅力だろう。
「ドイツ戦が始まる5時間くらい前に、SNSで『これまでどおり頑張りや』と送ると『ありがとう、頑張るわ』と。
ゴールを決めたときに『よっしゃ~キタ~(笑)』と送ったら、試合後に『ありがとう』と、たくさんお祝いのメッセージが来ただろうに、律儀に返信してくれました」(堂安家と交流のある知人)
日本代表で市場価値がもっとも高いのは、エースに成長した鎌田大地(26)だ。
「昨季は所属するフランクフルトのヨーロッパリーグ優勝で、その価値は約43億5000万円までになりました。今大会で勝利を決定づけるゴールなど、インパクトのある結果を残せたら、50億円を超えることは間違いありません。
強気な発言で知られ、ドイツ戦後に『勝てると思っていたし、最低でも勝ち点1は取れると心の底から思っていた』と落ち着き払っていました」(サッカー専門誌記者)
堂安の同点ゴールを演出した三笘薫(25)の評価もうなぎ登り。ブライトンでもスーパーサブの役割をこなし、「戦術は三笘」といわれるほど。
そのドリブルは、世界最高レベルにあるプレミアリーグでも恐れられている。
「森保一監督が、『彼自体が戦術』と発言したことが元ネタです。三笘自身、『自分がそれだけの存在になれれば、チームとしての強みにもなると思う』と話すなど、まんざらでもないようです」(同前)
また、浅野拓磨(28)の決勝ゴールをアシストした板倉滉(25)は、もはや日本代表に欠かせない存在だ。
「あのアシストにしても、ドイツが気を抜いた瞬間に縦にフィードしたもので、戦術眼にも長けています。『スペインに負けた東京五輪の借りはW杯で返す』と、雪辱に燃えています」(サッカーライター)
5大会連続でW杯を取材するベテランカメラマンが、サムライブルーに強気な発言が増えた要因をこう分析する。
「今の日本代表は、これまでと比べて海外でプレーする選手が多い。海外では、一流選手相手でも物怖じせず、はっきり自己主張をしないと生き残れないんです。
板倉はドイツ戦前の練習から余裕たっぷりで、カメラを向けるとサムアップポーズを取ってくれました。鎌田は『ドイツ代表は、僕がふだんプレーしているリーグの集合体で手の内はわかってるし、十分やれますよ』と、試合前から豪語していました」
“口だけ”なことも多かったかつての日本代表とは違い、今大会の若き彼らは、強烈なビッグマウスをやすやすと“有言実行”していく。
「W杯で日本が逆転勝利したのは今回が初めてなんですが、これまでは先に点を取られると下を向いたり、膝に手を置く選手がいて、一気に気持ちが落ちていたんです。
でも、ドイツ戦ではすぐにセンターサークルにボールを置いて、まるで『早く始めようぜ』とでも言っているようだった。メンタルの面でも、日本は強くなったと思いますね」(前出・カメラマン)
気持ちの面でも負けていない日本代表の陰の立役者が、あの大ベテランだ。
「4大会連続出場の長友佑都です。髪を金髪にしてカタールに乗り込み、試合では『みんなで燃えよう!』と赤に染め直して臨んだ。また、イタリア語で“勇気”や“自信”という意味の『コラージョ!』を練習でも連発して、チームを鼓舞しています。ほかの選手も口にするようになり、『やってやるぞ!』という自信に繋がったんだと思います。
ドイツ戦の後も、浅野や吉田麻也らは『コラージョ』と言い合いながら、抱き合っていました。今大会、『コラージョ』は日本代表の合言葉となっています」(前出の専門誌記者)
そして今回、誰よりも評価を上げたのが森保監督(54)だ。大会前は「選手交代が遅い」などとさんざん叩かれたが、ドイツ戦では打つ手打つ手がズバズバ当たった。
「0-1で負けている後半からDFの冨安健洋を投入しました。負けていれば攻撃的な選手を入れることが常套手段ですが、まずは守備を安定させて、勝負どころで攻撃的な選手のカードを4枚切ったのは見事でしたね」(前出・サッカーライター)
森保監督には、メディアのみならず、関係者からも、「4年後の次のW杯まで続投を」との声が高まっている。ドイツ戦での歴史的勝利の翌日、森保監督は取材陣に涼しい顔でこう語った。
「昨晩はよく眠れました」
日本社会の閉塞感を打ち破る彼らの快挙、本当にカッコよすぎる!
写真・JMPA