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【WBC】栗山監督に「出馬要請」、大谷翔平に「兼任監督」待望論、ヌートバーに「和食CM」オファー、侍ジャパンの英雄たちがもたらした“衝撃波”
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.27 06:00 最終更新日:2023.03.27 06:00
3月23日夕刻。成田空港には、WBCで14年ぶり3度めの世界一に輝いた侍ジャパンを迎えるため、1200人ものファンが詰めかけた。
日本ラウンド初戦から、決勝までの計7試合を全勝。それぞれの役割を十二分に果たした選手たちの功績はもちろんだが、彼らをまとめた栗山英樹監督の手腕をたたえる声も多い。第1回大会に、選手として出場した谷繁元信氏が語る。
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「もっとも“栗山色”が出ていたのが、米国との決勝で、今永(昇太)に始まって7投手を起用したことです。メジャーの一流打者の対応力たるや、すさまじいものがあります。場当たり的に投手を代えたのではなく、彼らに的を絞らせないために、前もって継投策を決めていたのでしょう。決勝ラウンドの戦いを見ると、栗山さんが選手ひとりひとりとコミュニケーションを取って、優勝を見据えた準備をしてきたことがわかりましたね」
栗山監督が日本ハムを率いていた2012年に、一軍打撃コーチだった田中幸雄氏も「今回は、選手との対話がもたらした優勝だ」と語る。
「栗山さんは日ハム時代から、控えの選手ともしっかり話し合い、調子を見ながら選手を起用していました。2012年に日ハムがリーグ優勝したときも、試合の流れを読んで、選手交代策がうまく噛み合っていました。当時も、とにかく選手がやりやすいよう差配されていましたが、それが今回も生きたと思います」
その栗山監督は優勝後、「個人的には最後のユニホームになる」と語り、第一線を退くことを示唆した。そこで気になるのが今後だ。全国紙の政治デスクが語る。
「2022年7月の参院選の際、自民党のなかで、栗山氏が候補者として浮上しました。誠実な人柄とスポーツへの情熱、そして本人は創価学会員ではありませんが、創価高校出身ということで、公明党との橋渡し役になるとの期待もあったといいます。ただ、このときはすでに侍ジャパンの監督として内外を飛びまわっており、自民党の選対関係者は『オファーすることすら失礼』と判断したそうです」
だが今後、「監督」という肩書がなくなれば、話は別。年内に衆院解散・総選挙があるという憶測も絶えないなか、自民党関係者はこう言う。
「栗山さんが、過去に党内で候補者として名前が出たことは聞いています。党内では『栗山さんは、選手出身者として初となるNPBコミッショナーを目指されているのではないか』という見方もあります。それでも、今回の劇的な優勝を受けて、党執行部も、栗山さんを次の国政選挙の目玉候補として正式に出馬要請せざるをえません。公明党や野党に取られるわけにはいきませんから」
栗山監督が勇退すれば、侍ジャパンの次期監督は誰になるのか。工藤公康氏、古田敦也氏らの名があがるなか、SNSを中心に、意外な人物の名が。今大会で大車輪の活躍を見せ、MVPに輝いた大谷翔平だ。
「憧れるのを、やめましょう」
決勝直前、円陣で大谷はそう語り、一流メジャーリーガーとの戦いに浮き足立つ侍たちは平常心を取り戻した。強烈なリーダーシップを発揮したことで、大谷に監督兼任の待望論が出ているのだ。
前人未到の“三刀流”は実現し得るのか。日ハム時代にコーチとして大谷を指導したことのある田中氏は、苦笑しながらこう語った。
「今回は、大谷がほかの選手を引っ張って優勝に導いたな、と思いますし、将来的には監督になってもらいたい気持ちはあります。彼なら投打、両方指導できるでしょうしね」
一方で、球界のご意見番である広岡達朗氏は、「栗山名将論」を一刀両断したうえで、こう言い切る。
「栗山くんの今回の采配には、たとえばエンドランを絡めるなどの『おお、うまくやっているな』という局面が一度もありませんでした。壮行試合で不調だった松井裕樹(楽天)に本戦で登板機会をほぼ与えず、立ち直らせることができなかったのも監督の責任です。
栗山くんやコーチは、選手に技術を教えることができないんです。だから、引き出しの多い大谷のまわりに選手が集まることになる。兼任監督、やればいいんじゃないですか。いいと思いますよ」
次のWBCを大谷は31歳で迎える。名将・野村克也氏は、かつて34歳で南海の選手兼任監督を務めた。大谷にとっても早すぎることはない。
大谷は今大会でのMVP獲得で、その価値がさらに高まったといわれている。今オフに控えるFA権の取得で、契約額はMLB史上最高額になるとの報道もあるが、大手広告代理店のキャスティング担当者によると、CMにおいても価値が高騰しているという。
「これまでの年間契約料金は2億円でしたが、すでに3億5000万円にまで急上昇しています。大谷選手の場合は『どんなにお金を積んでも契約したい』という企業が数多くあり、青天井にならないよう、代理店が逆に契約料の上限を設定するという異例の事態になっています。
大谷選手はすでに自動車・アパレル・金融・医薬品・化粧品・食品会社などとの契約があり、競合を避けつつ新規の契約ができる余地はあまりありません。ただ、大谷選手自身がゲームの愛好家であるため、この分野で獲得競争が激化しています」
大谷と並んで広告業界が熱視線を送るのが、ラーズ・ヌートバーだ。
「このWBCで、ある意味、大谷選手以上に跳ねましたね。その人柄や懸命さ、家族のストーリーが日本人の心を打ちました。ペッパーミルのパフォーマンスもバズり、さっそく胡椒を扱っている食品会社から『WBC時の映像は使えるのか?』という問い合わせがありました。和食をPRするCMのオファーも来ています。
MLBが開幕を迎えるため、新規で撮影するのは不可能なんですが、WBC事務局との間で、試合の映像を使用するという交渉をしており、CMを実現させる最終段階まできています。年間契約料金は、ヌートバー選手のインパクトを考えれば、1億円でも安いと思います」(同前)
ヌートバーの母・久美子さんにはテレビの出演依頼が殺到しているというが、さらにこの代理店担当者は、久美子さんにも英会話教室のCMや、子育てのセミナーなど、企業からの引き合いがあるという。WBCの余韻は、まだまだ続きそうだ。