カープのスター打者といえば、「ミスター赤ヘル」山本浩二と「鉄人」衣笠祥雄。だがこの2人だけじゃない、個性派が睨みを利かせ、いつも赤ヘル打線は他球団の脅威だった。かつての赤ヘル打線の名脇役に再会した!
「思い出は東出を徹底的にしごいたこと」と語るのは、守備の名手であった木下富雄さん。
「カープへの思い入れは、指導者になってからのほうが強いね。二軍監督になったときは新井(貴浩)、東出(輝裕)がまだ3年め。
東出がエラーのことを気にしてノイローゼ気味になったときに、山本浩二さんから『パンチョ、なんとかしてくれ』と頼まれてね。考える間を与えないくらい、徹底的にしごきましたよ。
でも『お前はカープのなかで能力はNo.1なんだから』と声をかけ続けて。それで復活してくれて、今ではセ・リーグNo.1の打撃コーチですよ。
焼き鳥店『カープ鳥 きのした』は10年前からですね。創業者が妻のいとこだったので、飲食店がやりたいと言っていた長男といっしょに、よし、やろうと。
経理関係は妻がやって、最初は娘もいっしょにやってくれた。野球をやっていたときはなかなか家族がそろうことはなかったけど、この齢にして、やっとバラバラだったのがひとつになれたかな(笑)。
野球が好きだし、もう44年、広島でお世話になっているんで、これからもお客さんといっしょにカープを応援していきますよ」
きのしたとみお
内野手 1951年5月7日生まれ 駒澤大からドラフト1位で1974年に入団。ユーティリティ選手として活躍。現在は広島市で焼き鳥店「カープ鳥 きのした」経営
(週刊FLASH 2017年10月31日号)