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やるからには一番上を「貴景勝」貴乃花から学んだ相撲道を語る

スポーツ 投稿日:2019.01.15 06:00FLASH編集部

やるからには一番上を「貴景勝」貴乃花から学んだ相撲道を語る

写真右が貴景勝

 

 高校で数々のタイトルを獲得し、18歳で貴乃花部屋に入門した。

 

「小学4年のときから、貴乃花親方の『キッズ相撲クラブ』でお世話になっていたんです。親方から『うちへ来い』と、直接言われたわけではありませんが、ほかの部屋に行くのは違うんじゃないかという気持ちでしたね」

 

 父は貴乃花の大ファンで、貴景勝の本名「貴信」もそこから取ったものだという。

 

「(貴乃花親方は)あまり具体的な指導はされないんです。おもに生活のこと。しっかり睡眠時間を取れ、ちゃんと食事をしろと。それでよく稽古もしなさいと。

 

 24時間相撲のことを考えているくらいじゃないと、勝つ資格はないということ。そして自分で考えなさいと。こうしろ、ああしろと細かく言わない。

 

 自分の頭で考えろ。そうしないと上には上がれないよと。自分にはその指導が合っていたんだと思います。おかげで、自分で考えるということが身につきました」

 

 2018年9月、その貴乃花親方が突如退職。貴景勝ら、部屋の力士は揃って千賀ノ浦部屋に移籍した。

 

「千賀ノ浦親方は、もともと貴乃花部屋の(部屋付き)親方をされていたので、安心してこの部屋に来ることができました。周囲の人たちが思うほど戸惑いもないし、環境の変化も問題はないです」

 

 テレビのインタビューなどでは口数が少ない印象だが、意外とそうではない。ただ22歳とはいえ、浮つくことはなく、しっかりと自分の言葉で真摯に話す。

 

「2019年は誰よりも考える力士になりたいと思っています。相撲のこと、相撲に繫がること。相手の研究をして自問自答する。考えれば道は開けると思うんです。

 

 勝ちたいと思うのは当たり前。そのうえで、自分なりに考える。頭が爆発するくらいに考えてやっていく。それが2019年の目標です」

 

 そうして迎えた1月場所。成績次第では大関の声も。

 

「やっぱり別格ですよね。横綱・大関というのは。8勝7敗でも、続けていれば関脇にはなれますが、大関はそうはいかない。だって、自分はまだ関脇の場所も経験していないわけで、それ(大関)は、自分が語れるものじゃないと思いますね」

 

 とはいうものの、すでに優勝を経験し、期待はいやが上にも高まる。1月場所で11勝すれば、大関昇進目安の「33勝」になる。

 

 ちなみに22歳3カ月での幕内優勝は、史上6位の年少記録で、1位から順に貴花田、北の湖、白鵬、朝青龍、若花田、そして貴景勝と続く。つまり、上位全員がのちの横綱なのだ。

 

「やるからには一番上を目指す」と誓ったあの日から、その目は今もまっすぐ前を見据えている。

 


貴景勝光信/本名・佐藤貴信
(たかけいしょうみつのぶ/さとうたかのぶ)
1996年8月5日生まれ 兵庫県芦屋市出身 千賀ノ浦部屋所属 175センチ169キロ 2014年9月場所で初土俵。2017年1月場所で新入幕。2018年11月場所で初優勝。殊勲賞3回、敢闘賞2回。1月場所はこれまでの番付最高位となる東関脇を務める

 

写真・ヤナガワゴーッ!

 

(週刊FLASH 2019年1月29日号)

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