エンタメ・アイドル
坂本冬美の『モゴモゴ交友録』藤あや子さんーーイメージと違って「ガハハハ」と笑う人でした
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.25 06:00 最終更新日:2023.02.25 06:00
あやちゃん(藤あや子)とわたしは、猪俣(公章)先生を介した姉妹弟子の関係になります。といっても、あやちゃんは猪俣先生のレッスンを受けるために通って来ていた外弟子で、わたしは内弟子という名のお手伝いさん(笑)。あやちゃんのほうがちょっと先輩で、時期もズレているので、長い間、会えばご挨拶をするという程度の関係でした。
それが、どうしたことでしょう。口にするのも小っ恥ずかしく、体がむず痒くなってしまいますが、今のわたしとあやちゃんは、いわゆる “親友” というやつで(苦笑)。きっとこれも、猪俣先生が結んでくれた縁なんだろうなぁと、深く感じ入っている今日このごろです。
【関連記事:Snow Man 目黒蓮 坂本冬美の“指名”で対談が実現、恋愛トークも!「デートの計画を立てるのは苦手です」】
きっかけは、わたしが親しくさせていただいているヘアメイクさんでした。
「あや子さんからご飯に誘われちゃって……」
あやちゃんとヘアメイクさんは仲よしなので、ここまではなんの不思議もありません。びっくらこいたのはその後です。
「冬美ちゃんもどうぞって言われたんだけど」
ーーえっ!? わたし?
どうしよう? 一瞬、悩みました。同じ演歌の世界で生きる仲間で、猪俣門下の相弟子、しかも先輩です。
ーーでもなぁ。
躊躇したのには訳があります。当時のあやちゃんは、謎のベールに包まれているというか、正体不明というか、幸薄そうなオーラを纏っていて(あやちゃん、ごめん)。
もちろん、今は違いますよ。でもあのころ、藤あや子さんといえば、ご飯は一切口にせず、痩せるビスケットを啄(ついば)むようにして食べているイメージしかなくて(あやちゃん、本当にごめんなさい)。話をするときも、小さなお声で囁くように話すんだろうなというイメージだったんですよね(笑)。
ところが、どっこいです。おうちにお邪魔してまず驚いたのが、テーブルから溢れんばかりにずらりと並んだ料理の数。しかも、すべてあやちゃんの手料理です。口にしなくたってわかります。これは、間違いなく美味しいやつです。
早く食べたい。でも、啄むだけのあやちゃんが食べる量はほんのわずか。ということは、残りはわたしとヘアメイクさんの2人で食べなきゃいけないわけで…… “いただきます” をする前から、すでに胸焼けしそうになっていました。
でも、しかしーーです。
「さぁ、どうぞ」
言うが早いか、テーブルに並んだたくさんの料理が、次々とあやちゃんの口の中に消えていきます。
ぱくり、ぱくり。もぐ、もぐ、もぐ。そこからさらに、パク、パク、パク。嘘でしょう!? と言いたくなるほどよく食べ、最後はデザートまでペロリです。
さらに、さらに、食べる合間に上げる笑い声が、くすくすくすという忍び笑いじゃなくて、大口を開けて、「ガハハハハハハハ」です。
もしかして、演歌歌手の藤あや子さんは双子のお姉さんのほうで、今、目の前で、ガハハハと笑っているのは妹さん? なんて、バカな想像までしたわたしです(苦笑)。
●教訓その1
人はイメージだけで判断しちゃいけない。そそと見える人が、「ガハハハ」と笑う人ということだってあるんです。
●教訓その2
縁を大事に。あやちゃんとのご縁は、猪俣先生が結んでくださったもの。一生の宝物です。
●教訓その3
言ったぶんだけ返される。わたしがあれこれ言っているぶんだけ、あやちゃんもわたしについて、あること、あることしゃべっていて……。おあいこです。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋