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『シン・仮面ライダー』が「PG12」指定に 『仮面ライダーBLACK SUN』は「R18+」、リアルを求め過激化する現代の『ライダー』
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.15 17:33 最終更新日:2023.03.15 19:55
《「シン・仮面ライダー」
殺傷流血の描写が見られ【PG12】区分に指定します。》
3月14日、一般財団法人 映画倫理機構(映倫)は、公式Twitterで、3月18日より全国で一般公開される庵野秀明監督の映画『シン・仮面ライダー』のレイティング指定と、その理由を発表した。
映倫によると、「PG12」は《親または保護者の助言・指導があれば12歳未満の年少者でもご覧になれます》という区分にあたる。年少者の鑑賞が不可というわけではないが、影響を考えて保護者のチェックが必要、ということだ。
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「殺傷流血の描写」を含むという作品の内容に、ネット上ではさまざまな声が上がった。
《というか流血描写あるのか…》
《『シン・仮面ライダー』がPG指定らしいのでちょっとわくわく》
《相当な流血が有りなんだろうなぁ》
同作が「PG12」に指定されることは、ある程度、予想できたという。
「2021年、仮面ライダー生誕50周年記念作品として『シン・仮面ライダー』と同時に製作が発表された作品に、白石和彌監督の『仮面ライダーBLACK SUN』があります。こちらは、ひと足早く2022年にAmazon Prime Videoで配信されたのですが、18歳以上が視聴可能な『R18+』指定となりました。
同作には、怪人の手足を千切る、内臓を引き出す、頭を踏み潰す、少女の胸を切り開いて改造手術をするなど、子供向けのヒーロー作品とは思えない残酷な描写が多く含まれていました。制作陣が、大人でも鑑賞できる『仮面ライダー』を目指し、リアルな生物感にこだわったためです。
対する庵野監督は、代表作であるテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)で、明らかに性行為をしている描写や、主要キャラクターが圧死する描写など、地上波とは思えない表現に挑んできたクリエイター。制作時期こそ重なりますが、後発となる『シン・仮面ライダー』でも、容赦ないバイオレンス描写が盛り込まれているのではないでしょうか」(映画ライター)
2022年10月の本誌で、『仮面ライダーBLACK SUN』の白石監督が、子供たちに見せたい作品を目指しながらも「R18+」指定になってしまった理由を語っている。
「東映からの最初のオファーは『“大人の仮面ライダー” を作ってください』というものでした。ただ『仮面ライダー』は、大人も子供も楽しめるコンテンツだと思っています。僕としては、PG12くらいの作品を目指していたのですが、R18+指定になってしまいました。これは不徳の致すところです。
怪人同士の戦いに関しても、リアルさや生物感を追求しました。残酷描写を見せたいという意図ではなく、生々しい戦いを描きたかったんです。その結果、編集スタッフに『これ、白石映画でヤクザが戦っているのと変わらない』と言われたような凄惨な場面もあります」
こうして『仮面ライダーBLACK SUN』は、仮面ライダーシリーズ初の成人向け作品となった。一方、PG12指定を受けた庵野監督は、2021年9月の「シン・仮面ライダー対庵野秀明展」合同記者会見で『シン・仮面ライダー』に関してこう語っていた。
「僕が観たかったライダーを作るのではなく、僕と同じ世代に『こういうライダーもいいよね』と思ってもらえる、そしていろんな世代に楽しんでもらえる作品にしたい」
ファンの多い作品だけに、期待が高まる『仮面ライダー』。心から楽しめるものを期待したい。
( SmartFLASH )