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中条あやみを救った『星の王子さま』の名言…生きづらさを抱えた少女時代に「心に刺さって」ついに翻訳まで

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.04.10 06:00 最終更新日:2024.04.10 06:00

中条あやみを救った『星の王子さま』の名言…生きづらさを抱えた少女時代に「心に刺さって」ついに翻訳まで

自ら翻訳を手がけた『星の王子さま』の名言集(写真・中村 功)

 

「小学校の図書館で『星の王子さま』に出会ったとき、ソウルメイト……本当に大切な友達を見つけた! と、嬉しかったのを覚えています」

 

 イギリス人の父と日本人の母との間に生まれ、大阪市阿倍野区で育った中条あやみ(27)は、子供時代、周囲に馴染めない自分を持て余していたという。

 

「クラスのコと物事に対する感覚が少しズレていたり、集団行動が苦手だったり……」

 

 

 2つの国の文化を肌で感じながら育ったことに加え、誰もが振り返らずにはいられないほどかわいらしかった少女は、生きづらさを抱えていた。

 

「でも子供だから、自分が感じている違和感を言語化することはできなくて……」

 

 そんなとき手にした本には、それまで自分が漠然と感じていたことが、物語というスタイルで書いてあり、心に刺さった。

 

「やっぱりそうだよね! いろんな国にいろんな人がいて、いろんな考え方があっていいんだよねって、救われた瞬間でした」

 

 なかでもいちばん好きなのは「大切なものは目に見えない」という言葉。

 

「簡単に人を決めつけてはいけない、心の目で見なければ大切なものはわからない……。そう心がけるようになりました」

 

『星の王子さま』には、ほかにも大好きな言葉があり、2023年には同書の英訳を手がけたキャサリン・ウッズが著した名言集を、自ら日本語に翻訳。

 

「私自身、大人になってから読むと、子供のころとは違った発見があったので、あらためて自分の言葉で紡ぐことは、とても素敵な時間でした」

 

 人とちょっと違う自分と仲よくなった彼女は、モデル女優として活躍するようになり、最新映画『あまろっく』では地元・関西を舞台に、65歳の竜太郎と結婚して39歳の娘・優子の義母となる、20歳の早希を演じている。

 

「撮影が始まる前は、45歳も年上の男性を、20歳の早希として好きって思えるのかな? とちょっと不安でしたが、(笑福亭)鶴瓶さんが演じてくださった竜太郎さんが、本当に素敵な夫であり、温かいお父さんで、ああこの人となら幸せになれる! って自然に思えました」

 

 年齢が倍近い年上の娘・優子を演じるのは江口のりこ。

 

「2人で台風の中でのシーンがあったんですけど、雨がすごすぎて溺れそうだったんですね。もうダメだと思って江口さんを見たら、ずぶ濡れになりながらお芝居を続けていらっしゃって、あらためてすごい俳優さんだと感じました」

 

 しかし、撮影以外のときは「基本的にボヤき(笑)。でも、そんなところもかわいくて、『怒っちゃダメよ』となだめてました」

 

 と、すっかり母親モード。休憩時間には3人で散歩をしたり、食堂で食事をしたりして “家族” を楽しんだという。

 

「竜太郎さんの台詞に『だいたいのことは、食べて寝たらなんとかなる』というのがあるんですけど、私もまさしくそう。しんどいことがあっても、美味しいものを食べて寝たら自分をリセットできます」

 

 得意なことは忘れること。

 

「悩んでいる時間がもったいないし、スパッと忘れて次に行く! と江口さんに言ったら『なんやそれ』って、またボヤかれましたけど(笑)」

 

 本作は、自身と同じ関西弁を話す役柄だけに、本来の自分が出せたように思うと語る。

 

「標準語の台詞だと、いったん頭の中で言葉を変換してから口に出している感じがするんですけど、関西弁はまんま出せますね(笑)」

 

 モデルのときは、洋服やメイクが映えるようにきれいな自分をと心がけているが、

 

「お芝居のときは、そこで暮らしている人間になりたいんです。だから、たとえば目やにがついたまま映っていたとしても、全然いいと思う。だって、普通に暮らしていたら目やにがついちゃってることあるでしょ?(笑)」

 

 目に見えるものよりも、その奥にあるものを、心の目で見る。『星の王子さま』が教えてくれた言葉は、彼女の深いところにしっかり根づいている。

 

「これから年齢を重ねても、何かあるたびに『星の王子さま』の本を開くと思いますし、きっとその時々で刺さる言葉は違うのだろうな、と思いますね。だけど、“彼” が私のソウルメイトであることだけは、ずっと変わりません」

 

 めっちゃかわいくて、ほんまに繊細で、ごっつパワフルな彼女のこれからを、心の目で見届けたい。

 

なかじょうあやみ
1997年2月4日生まれ 大阪府出身 14歳で芸能界に入り、2011年に「ミスセブンティーン」グランプリに選出。2012年にドラマ『黒の女教師』で俳優デビュー。以来、ドラマ、映画、CM、ファッション誌などで活躍。おもな出演作品は、映画『劇場版 零 ゼロ』『ニセコイ』、ドラマ『閻魔堂沙羅の推理奇譚』『君と世界が終わる日に』など

 

写真・中村 功
取材&文・工藤菊香
ヘアメイク・横山雷志郎(Yolken)
スタイリスト・藤井希恵(THYMON Inc.)

( 週刊FLASH 2024年4月23日号 )

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