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『イップス』篠原涼子が “イタいおばさん” フルパワーで熱演…クスクス笑えるコメディで「大復活」の予感!

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.04.19 11:00 最終更新日:2024.06.22 14:24

『イップス』篠原涼子が “イタいおばさん” フルパワーで熱演…クスクス笑えるコメディで「大復活」の予感!

『イップス』会見に参加した篠原涼子(右)とバカリズム

 

 放送前から期待して視聴したが、十分応えてくれるおもしろさだった。篠原涼子バカリズムのダブル主演作として4月12日(金)にスタートした『イップス』(フジテレビ系)のことだ。

 

 小説を書けなくなった人気ミステリー作家・黒羽ミコを篠原、事件の謎を解けなくなったエリート刑事・森野徹をバカリズムが演じ、そんなイップス状態で絶不調な2人がバディを組むミステリーコメディ。

 

 

 犯人とその犯行手口を序盤で視聴者に明かす1話完結型の倒叙ミステリーで、要するに『古畑任三郎』シリーズ(1994年~/フジテレビ系)などのフォーマットを踏襲。主人公2人が犯人をどう追いつめていくかをコミカルに描いている。

 

 篠原はいい意味で “イタいおばさん” キャラを活き活きと演じているし、バカリズムは素に近そうな飄々とした雰囲気でハマッている。

 

 ちなみに、第1話の犯人は人気熱波師・電撃ウィッチ麻尋。職場のサウナ施設で元恋人を殺すという役をトリンドル玲奈が演じているのだが、なにせ犯人の名が「電撃ウィッチ麻尋」なので、トリンドルがシリアスに演じれば演じるほど、観ているこっちは力が抜け、クスクス笑えるのである。

 

■バカリズム×オークラ氏の名タッグ

 

 筆者が同作に期待を寄せたのは、オークラ氏が脚本を務め、バカリズムが役者として出演するという要素に注目したから。

 

 オークラ氏はバナナマンから信頼され、「第3のバナナマン」と称されることもある放送作家なのだが、筆者の推しドラマ『住住(すむすむ)』シリーズ(2017年~/日本テレビ系)にも、脚本家として参加していた。

 

『住住』はバカリズムが原案を務め、本人役でも出演し、脚本はバカリズムやオークラ氏が共同で執筆していたワンシチュエーションコメディ。

 

 オードリー若林正恭、二階堂ふみ、バナナマン日村勇紀、水川あさみらも本人役で出演しており、“若林の部屋” や “バカリズムの作業場” を舞台に、シュールでゆるゆるな笑いがたまらないシリーズだ。

 

『イップス』はバカリズムが出演し、オークラ氏が脚本を務めるという同じ座組なので、『住住』の世界観が大好きな筆者の期待値はおのずと高まっていた。

 

 だが、正直言うとかなり不安もあった。『住住』を好きすぎるゆえに自分のなかでハードルが上がりすぎており、ガッカリさせられるのではないか――という懸念があったからだ。

 

 特に “かっこいい女” のブランディングでトップ女優になった篠原涼子が、バカリズム×オークラ氏の世界観に溶け込めるかどうかが、最大の懸念材料だった。

 

 しかし、それはまったくの杞憂だったのである。

 

■コメディエンヌとしての篠原涼子

 

『イップス』で篠原が演じるミコは、表向きは “かっこいい女” の発言をしているものの、実は偏屈で口が悪く、突飛な行動も起こす “めんどくさい女”。

 

 たとえば、バカリズム演じる森野が、ネットで自分のアンチコメントを書いていることを知るや、「クソだな! 陰でこそこそ人の悪口書きやがって楽しいか! ゴミが!!」とブチギレる。けれど、いたるところにツッコミどころがあるチャーミングさも持ち合わせている。

 

 よくよく考えてみれば、篠原と言えばアイドル時代の1991年から『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、お笑い強者たちに鍛えられてきた。また、2003年の宮藤官九郎脚本のファンタジーコメディ『ぼくの魔法使い』(日本テレビ系)では、ラブラブ夫婦のおバカヒロインを振り切って好演していた。

 

 篠原の代表作として思い浮かぶのは、『アンフェア』(2006年/フジテレビ系)や『ハケンの品格』(2007年/日本テレビ系)といった、“かっこいい女” 作品ばかりなのですっかり忘れていたが、彼女はコメディエンヌとしての才能も持った役者だったのだ。

 

■篠原にとって大復活の狼煙となる予感

 

 オークラ氏の脚本は安定のおもしろさだし、バカリズムとオークラ氏の相性がいいのは『住住』で証明済み。そこに篠原が “かっこいい女” イメージを脱ぎ捨て、“イタいおばさん” キャラをフルパワーで演じており、作品としての調和も取れている。

 

 篠原は、2021年、市村正親と離婚しているが、当時、韓国の男性グループメンバーとの不倫疑惑が報じられ、イメージが急落。

 

 その後の出演作といえば、2022年のヒットドラマ『silent』(フジテレビ系)で、主人公の元彼の母親という脇役が記憶に新しい。昨年10月期には山崎育三郎と『ハイエナ』(テレビ東京系)でダブル主演したが、低視聴率で落ち目感が漂っていた。

 

 そんな彼女にとって、『イップス』は大復活の狼煙(のろし)となる予感。今夜放送の第2話も、上質なミステリーコメディになることを期待している。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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