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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』50歳を超えてもチャレンジできる! 5つのポイント
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.31 16:00 最終更新日:2022.10.31 16:00
現在56歳の私が、東京から伊勢神宮までの約370kmを、6日間で自転車走破した話は、前回お伝えしました。東京に戻って以来、リアルで会う人から「すごい体力ですね」「すごい精神力ですね」「とても勇気づけられました」といった言葉をたくさんいただきました。想像以上の反響の大きさに、自分でも驚いています。
私のYouTubeチャンネルには、「40歳を過ぎているのですが、〇〇に挑戦できるでしょうか」「50歳を過ぎているのですが、××は無理でしょうか」という相談のメールがたくさん寄せられます。「何か新しいことにチャレンジしたい!」と思っている中年世代は多いのです。
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ただ、「40代も半ばになると無理が利かなくなる」「自分はもう50代だから体がついていかない」などという固定観念や先入観によって、思いとどまってしまう。年齢を理由にチャレンジを断念してしまうのは、非常に残念なことです。
私の今回のチャレンジは、自分の人生のなかでも「かなり大きな出来事」になりました。そこで、この体験をベースに、中年世代でも新しいことに十分チャレンジできる! その根拠と具体的な方法についてお伝えしたいと思います。
■(1)「失敗してもいい」と考える
私は自転車旅行に出発する前日に、YouTubeチャンネルとメルマガで「1週間の自転車旅行に出発します!」と宣言しました。しかしその時点で、目的地が伊勢神宮であることは明らかにしていません。「できる限り西へ向かって走ります! 一体、どこまで走れるでしょうか?」という情報だけです。そして、「体力が尽きれば、そこでギブアップします。雨や天候が悪化すれば、そこでギブアップします」ともつけ加えました。
個人の趣味的なチャレンジですから、「絶対に達成しなければいけない」「絶対にギブアップしてはいけない」というものではありません。楽しみながらやることが一番です。「やれるところまでやる!」ことこそがチャレンジなのです。
だから途中でギブアップしてもOK。一歩踏み出すこと、チャレンジすることが重要。いや、チャレンジしただけで、すでに「成功」なのです。
■(2)「100%成功する目標」を立てる
最初から「1週間かけて自転車で伊勢神宮に行きます!」と宣言してしまうと、後に引けなくなります。悪天候の中でも無理して走ったり、距離を稼ぐために夜間走行したりする必要も出てくるでしょう。そうすると、車との接触事故を起こす危険も高まります。あるいは体力的な限界を超えてしまい、膝や腰を痛めるなどの故障につながるかもしれません。
「西へ向かってできるだけ遠くまで走ります。自分の体力の限り」という目標設定だと、必ず達成できます。150kmしか進めなかったとしてもチャレンジ成功です。
多くの人は、何かにチャレンジする場合、まず失敗を恐れます。失敗するのがイヤなら「100%失敗しない目標」を立てればいいのです。
■(3)「できたぶん」を加点評価する
前の話にも関係しますが、最初に高すぎる目標や達成困難な目標を設定すると、途中で「これは無理だ」という気持ちになり、その結果、モチべーションが下がって、自信を失うことになってしまいます。
「オリンピックで金メダルを獲る!」のような高い目標は、ほとんどの人にとってはまったく必要ありません。必要ないどころか、むしろマイナス。とくに50歳を超えたチャレンジにおいては、百害あって一利なしです。
最初から100点の目標を立ててしまって30~40点くらいの出来だと自己肯定感を下げるので、最初は10点くらいの目標でよしとします。それなら簡単に達成できますね。10点をクリアできたら、次は20点。これまた楽勝です。
こうして10点ずつの「小さな目標」をひとつずつクリアしていくと、本来は40点の実力であっても、気づいたら50点や60点の達成も夢ではありません。
「失敗した」「できなかった」「40点だった」というマイナスに注目した「減点評価」ではなく「10点できた!」「また10点できた!」と「加点評価」を積み上げていく。これが、自信と自己成長感につながるのです。
50歳を超えると、気力、体力とも衰えがちです。だからこそ「できたぶん」を評価し、そのぶんの達成感を味わう。そのためにも、減点評価から加点評価に切り替えるべきなのです。
私の場合、仮に途中の静岡でギブアップしたとしても、「伊勢神宮まで行けなかった」ではなく、「静岡まで行けた!」と加点評価します。それが次のチャレンジにつながっていくのです。