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スズメバチからコアラまで…250以上の「毒」が並ぶ “毒々しい” 世界/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.05 16:00 最終更新日:2022.11.07 22:44

スズメバチからコアラまで…250以上の「毒」が並ぶ “毒々しい” 世界/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

オオスズメバチの模型は実物の約40倍。専門家がうなるほど精巧にできている/国立科学博物館 特別展「毒」

 

 東京・上野公園の国立科学博物館で、特別展「毒」という展覧会が始まりました(2023年2月19日まで)。「毒」をテーマにして特別展をおこなうのは、科博で初めてのことです。

 

 そもそも「毒」とは何でしょう。この特別展では、「毒」を、基本的にヒトを含む生物に害を与える物質として捉え、動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する「毒」について、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げています。

 

 

 たとえば、海洋にいる有毒生物というとクラゲしか思いつきませんが、少なくとも3万種前後いるそうです。この季節には毒キノコに当たったという話をたまに聞きますが、推定10万種以上あるとされる世界のキノコのうち、大半は食毒の影響が不明だとか。そう、私たちの周りは、実は毒だらけと言っても過言ではありません。

 

 では、会場にはどんな毒が待っているのでしょう。

 

 まずドーンと巨大な模型が目に飛び込んできます。実物の約30倍の大きさの、毒牙をもつハブの頭。何度でも刺せる毒針と大きな顎で獲物を襲う約40倍の大きさのオオスズメバチ。外敵から自分の身を守るために毒を利用する毛虫・イラガの幼虫は約100倍。植物なので逃げるわけにもいかず、全体を刺毛で覆って自分を守るセイヨウイラクサも約70倍と大迫力。

 

 監修にあたった科博の先生方自慢の精細な模型で、するどい牙や針、なかに毒の液体が透けて見える棘などを見るとゾクッとします。

 

 私はミツバチを飼っていますが、毎年のようにミツバチを襲いに来るスズメバチは本当にイヤ。科博の井手竜也研究員が仰るには、世界に約15万種いるハチのうち、危険性が高いのはごく一部。それが女王バチを中心に巣を作って暮らす社会性のあるハチで、スズメバチはその代表格だそうです。

 

 ミツバチのように花粉で子供を育てるように進化したらよかったものを、スズメバチには幼虫の餌としてタンパク質が必須。そこでミツバチを襲い、時に人を襲うこともあるのだそう。刺されることで免疫の過剰反応「アナフィラキシーショック」を起こすことがあり、スズメバチは人間が一番被害にあう深刻な毒というお話でした。

 

 別のコーナーに、どのハチに刺されるのが一番痛いかを実際に自分で測って数値化したジャスティン・シュミット氏の研究(イグノーベル賞を受賞)が紹介されていましたが、スズメバチの毒はまじめに怖いのでご注意を。

 

 本展は全5章の展示構成です。第1章「毒の世界へようこそ」では、「毒とは何か」という概念から始まり、毒が人間を含む生物にどのように作用するのかについて解説。

 

 第2章「毒の博物館」では、ありとあらゆる毒を紹介。毒をもった生物、鉱物など無生物に含まれる毒から、人間が作り出した毒まで。南米にはブルーノイシアタマガエルというカエルがいて、頭骨にある鋭い棘を自分の皮膚を突き破って捕食者に突き刺すそう。そんな生態を知り、とても興味深かったです。

 

 第3章「毒と進化」では、毒の存在が生物どうしの関係を大きく変え、その影響が進化となって表れた例を紹介。オーストラリアでコアラが有毒植物のユーカリの葉を食べるのは、食料をめぐる争いをさけて生きるための進化というのもその一例です。

 

 第4章「毒と人間」では、太古から近現代にわたる毒と人間の関わりを考えます。狩猟や戦い、処刑や暗殺、また毒から薬を生み出したりと、科学の進歩による「毒」の解明を伝えています。そして、終章「毒とはうまくつきあおう」では、新たな「毒」を生み出している人間が、いま地球規模で考えなくてはならないことを問いかけます。

 

 私事ですが、夏に北海道を旅行した際、あちこちで紫色の花を咲かせているトリカブトを見ました。今回、トリカブトは日本の3大有毒植物だと知りました。他はドクウツギとドクセリ。

 

 形や色が似た植物やキノコを間違えて毒に当たることがありますが、トリカブトを他の植物と間違えることはほぼないらしく、もしもトリカブトの毒にやられたら、それはかなり意図的だとか。みなさんもご用心を(笑)!

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

( SmartFLASH )

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