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『陸王』の設定「薄底ランニングシューズがいい」は時代遅れ?

芸能・女子アナ 投稿日:2017.12.10 16:00FLASH編集部

『陸王』の設定「薄底ランニングシューズがいい」は時代遅れ?

 

陸王』は、資金繰りに困る老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目社長(役所広司)が、20名あまりの社員とともに、足袋の製造で培ってきたノウハウを生かし、裸足感覚で走れる新しいランニングシューズを開発していくという物語。

 

 ドラマ内では足袋のような「薄底」こそランナーが真価を発揮できると、「こはぜ屋」は開発を続ける。しかし最近のランニングシューズ事情は、いささか異なるようだ。

 

 現在、ナイキが販売している「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」と呼ばれるシューズが、ランナーたちから熱い支持を得ている。

 

 これは、かかとのまわりのソールが厚い、いわゆる「厚底タイプ」のシューズだ。皮肉にもドラマと真逆の「厚底」が本流に? ランニング業界に詳しい「ランニングマガジン・クリール」前編集長の樋口幸也さんに話を聞いた。

 

「ナイキの厚底シューズは、足への衝撃が非常に少なく、ダメージを受けにくいことと、スプーン状のプレートや反発力のあるスポンジを使用しているので、底の薄いシューズよりも推進力が得やすいことが特徴です。

 

 駅伝などで結果が出ていますし、エリートランナーのトップ選手たちの間では、厚底のシューズに流れる動きが顕著に出ているのは事実です」

 

 実際、10月に開催された出雲駅伝では、一部のランナーがナイキの厚底を採用した東海大が優勝。箱根駅伝でも注目されている。

 

 ただ、5キロ~10キロの短いロードレースなら、厚底で足を守る必要性は低い。また、厚底から薄底のシューズに変えたことで「故障がなくなった」「裸足感覚で走れて楽しい」というランナーが多いのも事実だ。

 

「厚底がいい、薄底が悪いというのはナンセンス。自分の目的に合ったシューズ選びが大事」と樋口さんは話す。

 

 ドラマでは今後、竹内涼真演じる故障したマラソン選手が、こはぜ屋が開発した薄底シューズで復活する姿が描かれると予想される。番組のリアリティについても感想を聞いた。

 

「あると思います。シューズが原因で故障されているエリート選手も多いですし、その際、足袋のような薄いシューズでもう一度動きを取り戻し、復活していくというのは、十分ありえる話です。

 

 ちょうど4、5年前、裸足や裸足感覚のシューズで走る『ベアフットブーム』があって、池井戸さんが原作を書かれたのは、おそらくそのころ。

 

 厚底が記録を出し始めたのはこの半年ですから、1年前に放送していればわかりやすかったんでしょうけど、現状では『あれ?』と思うランナーはいるかもしれません(笑)」

 

(週刊FLASH 2017年12月5日号)

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