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朝日新聞 有料サロン「中退予防ネット」設立の裏で「大学退学者増加」のご都合記事を連発!立命大講師が告発

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.11.30 06:00 最終更新日:2021.11.30 06:00

朝日新聞 有料サロン「中退予防ネット」設立の裏で「大学退学者増加」のご都合記事を連発!立命大講師が告発

「一連の記事では全体の調査結果について、客観的な数字を挙げて紹介しております」と朝日新聞社の広報部はいうが……

 


「コロナ禍で休退学 5千人超」

 

 2020年12月19日付の「朝日新聞」社会面にこのような見出しが躍った。新型コロナウイルスの影響で、同年10月までに大学・大学院を休学・退学した学生が計5238人いるという、文部科学省の発表をもとにした記事だった。

 

 

「見出しを見て、コロナ禍で休退学者が増加しているのだと思いました。しかし、記事を読み進めると、昨年の同時期と比べて、全体の中退者は6833人、休学者は6865人も減っているとあるのです。意味不明でした」

 

 そう語るのは、立命館大学教育開発推進機構の蒲生諒太講師(35)だ。蒲生講師は教育学が専門で、コロナ禍では、学生のオンライン授業の受容の仕方などを調査している。

 

「この記事を機に、私は同紙の『コロナ禍での大学生の休退学』報道に注目しました。そして、一連の報道のなかに、ある “異様さ” を見つけたのです」(蒲生講師、以下同)

 

朝日新聞」は、コロナ禍での大学生の休退学を、いち早く取り上げている。2020年4月23日付の「『収入減で退学検討』大学・専門学校生の13人に1人」という記事がそれだ。

 

 翌24日付でも「学生 困窮」という見出しで、「退学に追い込まれかねない学生が各地にいる」と警鐘を鳴らしている。

 

 そして、蒲生講師が着目したのが、2020年7月29日付、一面の「コロナ 大学運営揺るがす」だ。

 

「冒頭に『秋以降に経済的理由による退学・休学が増え、経営の悪化を予想する大学も多い』とあり、大学側も休退学者の増加を特に懸念しているように読めるものでした」

 

 記事では、「朝日新聞」と大手予備校の河合塾による緊急調査の結果を紹介。コロナが大学の運営にどのような影響があるのか、「現在」と「夏季休暇以降」に分けて、それぞれ14項目のうちから5項目を選ばせるもので、全国652大学が回答した。

 

「大学が現在『影響がある』と挙げたものは、上位から順に『授業の実施方法』『学生募集』『授業の開始・実施時期や回数』と続き、『経済的理由による退学・休学の増加』は、14項目中11位でした。大学は回答時点で、休退学の増加をほとんど重視していなかったのです」

 

 回答全体で「退学・休学の増加」を挙げた割合は9%にすぎない。夏季休暇以降は28%に増加しており、その伸び率はもっとも高かったが、それでも全体の9位にとどまる。

 

「そもそも、現状と将来の “予想” を比較することが不適切ですし、夏季休暇明けや、後期の授業料支払い前に退学者が増えるのは常識です。どうしてこんな扇情的な記事を書くのか。『朝日新聞』はどうしたんだ、と思いました」

 

 2020年10月18日付の「読売新聞」が、大学生の中退率が「ほぼ横ばい」で、「新型コロナウイルスによる悪影響はみられなかった」とベタ記事で報じた約1カ月後にも、「朝日新聞」は一面トップで休退学者問題を扱っている。11月29日付の「コロナ禍で困窮 休退学 190大学、『年度末に増加』見込む」という記事だ。

 

「8割の大学が “経営が困難になる” ととれる内容でしたが、よく読むと大学全体の将来予想で、自大学についての回答ではないのです。経済が不透明で、少子化の時代ですから、そうした予測が出るのは当たり前です。大本の資料を読むと、自大学の経営を心配している大学は1〜2割。こんな報道をする意図がわかりませんでした」

 

( 週刊FLASH 2021年12月14日号 )

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