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U-23日本代表、カタール破るも識者が指摘する「選手のプレーも監督の采配も経験不足」

スポーツ 投稿日:2024.04.26 20:15FLASH編集部

U-23日本代表、カタール破るも識者が指摘する「選手のプレーも監督の采配も経験不足」

サポーターの声援に応えるU-23日本代表・大岩剛監督(写真・長田洋平/アフロスポーツ)

 

 4月25日、パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップの準々決勝が行われ、日本が延長の末、開催国カタールを4-2で撃破。日本は4月29日の準決勝で、イラク対ベトナム(26日)の勝者に勝てば、8大会連続の五輪出場が決まる。今大会3位以内のチームがパリ五輪の出場権を獲得し、4位の場合はアフリカ予選4位のギニアと、5月9日にフランスで最後の1枠をかけて争う。

 

 カタール戦、日本は最高のスタートを切った。前半1分過ぎ、MF山田楓喜が相手のミスからボールを奪い、ボックス手前から強烈なミドルシュートを決めて先制した。

 

 その後も日本のリズムが続いたが、前半24分に、右からのクロスをFWアルラウィにヘッドで豪快に決められ、1-1の同点となった。互いに相手の出方を探るような展開が続いたが、前半42分、思わぬ展開が訪れる。

 

 

 アーリークロスにFW細谷真大(まお)がプレッシャーをかけると、GKアブドゥラーがエリアの外まで出てきてヘッドでクリア。その際、ジャンプした右足が細谷の腹部に命中。主審はいったん流したが、VARで検証の末、一発退場となった。思わぬ“中東の笛”で数的優位となった日本は、このまま前半を終了し、後半で勝負に出る手を選んだ。

 

 数的有利のうえに、気温30℃を超える高温多湿のピッチ上。日本としては、あせらずにじっくりと時間をかけて、相手の体力を奪い取ればよかった。

 

 ところが、後半4分、韓国戦でも課題となったセットプレーからまさかの逆転ゴールを許す。左サイドからのクロスに競り負け、ヘディングで叩き込まれてしまった。

 

「日本は早くに先制できたあとに追いつかれましたが、カタールの攻撃をそれほど脅威には感じていなかったと思います。ところが、気の緩みから2失点してしまった。ただ、1-2となった時点でも、時間はまだ40分以上残っていました。あせらずボールを回し、ここぞというところで仕掛ければよかったんですが、なぜかやらない。右サイドを中心に攻めていましたが、パスを回すだけで、ドリブルで仕掛けるプレーは皆無。これでは、カタールは恐怖を感じなかったでしょう。

 

 しかも、思いのほか彼らは疲弊していたんですが、ベタ引きのカタールに対して日本はボールを回すだけで、チャンスがあってもミドルシュートを打たない。数的有利、相手の疲れを考えたら、もっと変化ある攻めをすべきでした。大岩剛監督にしても、相手が疲れているなら、フレッシュな選手を投入してかき回すべき。選手のプレーも監督の采配も、経験不足と感じました」(現地で取材したサッカーライター)

 

 なんとか逆転したものの、決して褒められる内容ではなかったことは事実。それをできなかったのは、「チームとしての成熟度が足りなかった」と専門誌記者は語る。

 

「この世代は久保建英に代表されるように、海外で活躍する選手が大勢いて“黄金世代”と呼ばれていました。ところが、五輪予選は国際Aマッチデー期間外で選手派遣義務がなく、彼らの多くを呼ぶことができなかった。ベストメンバーを集めたわけではなかったんです。

 

 また2021年に、U-20W杯がコロナ禍で中止になってしまい、貴重な国際経験の場を失ってしまったんです。だからこそ、カタール戦のような試合運びになってしまったのでしょう。それから、選手もそうですが、大岩監督も経験不足。彼は4-2で相手があきらめた終盤、判定に異議を唱え、イエローカードで退席処分となりました。たしかに日本ボールをカタールボールにされたんですが、残り時間はわずか。判定が間違いだとしても、まったく勝敗は左右されない。そんなところでイエローを出されるなんて、選手よりも監督のほうが経験不足と感じてしまいました」

 

 試合後、大岩監督は、イエローに関して「ジャッジメントを選手に注意しろと言うくせに、自分がね、ああいうことをして、ものすごく反省しています。あとはその、パフォーマンスのところもある。選手に謝罪したい」と語った。

 

 だが、イエロー覚悟で選手を鼓舞する場面ではなかったことはたしかだ。“絶対に負けられない戦い”で、選手、そして監督も成長したと願いたい。

( SmartFLASH )

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