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堺雅人『VIVANT』視聴者をあざやかに騙した “気弱な主人公” に拍手「え、お前もなの!?」【ネタバレあり】

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.08.13 11:00FLASH編集部

堺雅人『VIVANT』視聴者をあざやかに騙した “気弱な主人公” に拍手「え、お前もなの!?」【ネタバレあり】

4月、愛知県内でロケに臨む堺。この日はカットがかかった後も真剣な表情を崩すことはなかった(写真・久保貴弘)

 

 別人格だけじゃなくて、主人格まで「別班(べっぱん)」だったのかよ!……こんな衝撃エピソードが、先週放送の第4話で明かされた『VIVANT(ヴィヴァン)』(TBS系)。俄然おもしろくなってきた。

 

 堺雅人が2020年の『半沢直樹』第2シリーズ以来、「日曜劇場」に凱旋主演している本作。「日曜劇場」の『下町ロケット』主演の阿部寛、『陸王』主演の役所広司のほか、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也といったゴールデン・プライム帯の連ドラ主演経験者がズラリと出演する、TBSの超本気がうかがえる大型ドラマだ。

 

 

 堺が演じる主人公は、大手商社に勤める乃木憂助。第1話から中央アジア・バルカ共和国と日本を舞台にした140億円の誤送金事件を軸に描いており、第4話終盤でとうとう乃木に罪をなすりつけていた真犯人を追いつめ、成敗するのだった。

 

■【ネタバレあり】現時点までの情報を整理

 

 ここで、ネタバレありで現時点までの情報を簡単に整理しておこう。

 

 140億円の誤送金事件に端を発した物語だったが、本筋は国際的テロ組織「テント」との対決になる模様。第4話で、堺演じる乃木と松坂演じる黒須駿は、自衛隊の影の諜報部隊「別班」に所属していることが明かされた。

 

 乃木や黒須の「別班」と、阿部演じる野崎守が所属する警察組織「公安」が、それぞれ「テント」を追うという構図になっていきそうだ。

 

 キーパーソンとなるのがバルカの少女・ジャミーン。第1話のラストに登場した役所と二宮が演じる謎の親子が、父親を亡くしたジャミーンを保護するという発言をしており、二階堂が演じる世界医療機構の医師・柚木薫は、ジャミーンを家族のように大切にしている。

 

 だが、ジャミーン親子が「テント」メンバーと仲よく一緒にいる写真が出てきたため、役所・二宮の謎キャラと柚木が「テント」側の人間であるという可能性も十分ありそうだ。

 

■主人公が「別班」だというのは予想していたが…

 

 第4話で筆者がもっとも驚いたのは、乃木が「別班」だと明かされたシーン。

 

 主人公・乃木はまだ謎が多い人物だ。ベースは、誠実でやさしいが気弱な日本のサラリーマンというキャラ。だが、序盤から彼が多重人格で、「F」と呼ばれる気性は荒いが決断力・実行力のありそうな別人格がいることが明かされている。

 

 第2話で「ヴィヴァン」が「別班」を意味しているという説が浮上した時点で、「F」が「別班」の人間で、主人格の乃木が知らないところで「別班」の活動をしていたのではないかと予想した視聴者も多かったろう。

 

 しかし、乃木が自らを「別班」であると明かしたシーンでしゃべっていたのは主人格。すぐに「F」に交代したが、気弱なほうの主人格も「別班」であることを自覚していたわけだ。

 

 ということは、野崎にバルカで助けてもらったときも、日本に帰国して協力しあっていたときも、さも「別班」なんて言葉自体を聞いたこともないような顔してすっとぼけて、野崎の目をあざむき続けていたことになる。

 

 智略に長けていそうな「F」のほうが公安のやり手を騙すならばわかるが、おどおどしていた主人格のほうまでウソをついていたとなると、とんだ食わせ者である。感情移入して観ていた気弱な主人公が、実は視聴者も騙し続けていたという展開には本当に驚き。

 

 とはいえ、別人格を「F」と呼んでいるので、もしかするとほかにも「A」から「E」の人格もおり、「別班」として登場したシーンで最初にしゃべっていたのはまたほかの人格だった可能性もゼロではない。

 

 そもそも、最初からずっと登場しているので、便宜上は気弱な人格を “主人格” としているが、主人格はまた別にいるという可能性もある。

 

 いずれにしても、第4話終了時点でいくつか判明した謎はあるものの、この物語にはまだまだ膨大な秘密が隠されているのだろう。

 

■視聴率、Twitter、配信再生で好記録を連発中

 

 あくまで個人的な感想だが、正直に言うと第4話中盤までは、本作にそこまでハマッていなかった。超話題作なので惰性で観ているというフシが多少あったのだ。

 

 アドベンチャー映画のような、バルカでの現地警察からの逃亡劇も、日本帰国後の『半沢直樹』テイストの誤送金の犯人探しも、スリリングできちんとおもしろかった。

 

 だが、キャスト陣の豪華さなどから、本作への期待値は跳ね上がっており、フタを開けてみると「そこまで騒ぐほどではないか」と思っていたのである。第4話の中盤ぐらいまでは、「ガッカリした」とまでは言わないが、「まぁこんなもんか」という気持ちで観ていた。

 

 けれど、松坂演じる黒須が初登場したあたりからグイグイ前のめりで画面に見入る自分に気づき、乃木が「別班」だと明かされたシーンで鼓動はドクドク。

 

 こんなに一気に物語に惹き込まれたのは久しぶり。心地のいい衝撃だった。

 

 本作の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話11.5%、第2話11.9%、第3話13.8%、第4話13.4%と好調。そして4週連続でTwitter(現X)の世界トレンド1位を獲得している。

 

 また、第1話から第3話のTVerなどの無料配信総再生数が、配信開始からわずか19日間で1000万回を突破。この数字はTBSドラマ史上、最速だという。

 

 ――さまざまなデータで好記録を連発している『VIVANT』。今夜放送の第5話も、物語にグイグイ惹き込んでくれることを期待している。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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