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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』太りやすい、イライラしやすい、メンタルが崩壊しやすい……朝食を食べない7つのデメリット
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.17 06:00 最終更新日:2023.04.17 06:00
4月11日は「しっかりいい朝食の日」。「し(4)っかりいい(11)」の語呂合わせから来ているもので、朝食向けシリアルでお馴染みの「フルグラ」を発売しているカルビーが制定した日です。
私のYouTubeチャンネルには「朝ご飯は食べたほうがいいのか? 食べないほうがいいのか?」など、朝食に関する質問がよく寄せられます。そこで今回は、朝食を食べないとどんなデメリットがあるかをお伝えします。
■(1)体内時計がリセットされない
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朝起きて太陽の光を浴びると、光の刺激が脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」に到達し、体内時計がリセットされます。脳が「朝だ!」と認識するのです。
体内時計は脳だけではなく、心臓、消化管、肝臓、膵臓、筋肉など、体のすべての臓器に存在します。朝食を食べると、血糖値が上がり、膵臓からインシュリンが分泌されて、臓器の体内時計もリセットされます。このとき脳と臓器の体内時計が同期して、本格的に活動を開始するのです。
逆にいうと、朝食を食べないと、臓器の体内時計がリセットされませんし、脳の体内時計と同期もされません。
■(2)午前中ボーッとする
臓器の体内時計がリセットされず、脳の体内時計と同期されないと、脳や体ははっきり覚醒しないため、午前中ボーッとした状態が続きます。
また、朝食を食べないと脳にも全身にもエネルギーが補充されずエネルギー不足に陥ります。その結果、全身がけだるい、調子が上がらない、といった不調につながるのです。
「午前中からバリバリ働けない」「午後にならないと調子が出ない」という人の場合、それはたんに「朝食を食べない」ことが原因かもしれません。
■(3)太りやすくなる
日本人約3万人を対象にした大規模研究によると、朝食を食べない人がメタボになるリスクは、食べる人に比べて1.26倍高いという結果が出ています(男性の場合)。また、肥満になるリスクは、男性で1.15倍、女性で1.18倍高まるという結果もあります。
その理由は、朝食を食べて体内時計が同期されると、「エネルギー代謝」(エネルギーの燃焼)のスイッチがオンになることが考えられます。実際、朝食を食べる人は食べない人よりも体温が高いという研究もあります。体温が上がっている、ということはエネルギー代謝が活発におこなわれているということです。
ダイエットのために朝食を食べない人がよくいますが、そうすると「太りやすい」という逆説的な結果になるのです。
■(4)生活習慣病のリスクが高まる
朝食を食べない人は、食べる人と比べて、朝の血圧上昇が大きくなるので、心血管疾患による死亡リスクが1.87倍、脳卒中による死亡リスクが1.36倍、脳出血による死亡リスクが1.18倍高いという研究結果があります。
朝食べないと、そのぶん昼食や夕食でたくさん食べるため、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病のリスクも高まります。朝食を食べる人は、糖尿病のリスクが4割も低いという研究もあります。
7000人を対象にしたアメリカの研究では、朝食を食べない人は食べる人に比べて、がんによる死亡リスクが52%も上昇していました。
朝食を食べないと心血管疾患、高血圧、糖尿病など、ほとんどの生活習慣病のリスクを高めるのです。
■(5)イライラしやすくなる
朝食を食べないと、血液中のブドウ糖(血糖)が不足するので、増やそうとして「アドレナリン」の分泌が活発になります。アドレナリンの分泌が活発になると、交感神経が優位な状態になり、イライラしたり、怒りっぽくなったりします。さらにストレスも高まり、自律神経の乱れの原因ともなるのです。自律神経が乱れると、さまざまな体調不良を引き起こします。