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ヒグマが人間を脅した事件は70年で2500件…最凶の惨事は「砂金採り」襲撃/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

芸能・女子アナ 投稿日:2022.12.18 16:00FLASH編集部

ヒグマが人間を脅した事件は70年で2500件…最凶の惨事は「砂金採り」襲撃/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

日下アナ(左)と中山さん

 

 近年、クマに襲われたというニュースをよく見かけるようになりました。海外の旅行客に人気の北海道では、家畜が襲われたり、ドライブ中にクマが車の前に現れたなどという被害が報告されています。

 

 ヒグマの攻撃がどのくらい恐ろしいものなのか、『神々の復讐~人喰いヒグマたちの北海道開拓史』(講談社)の著者、中山茂大さんにお話を伺いました。

 

 中山さんは、北海道深川市出身。上智大学教育学部在学中は探検部に所属し、世界中を探訪。2019年4月から、釣り雑誌『North Angler’s』にて、人間がヒグマに襲われた衝撃的な事件を振り返る『ヒグマ110番』を連載中。今年3月から千葉県大多喜町で、すべてDIYで建てたキャンプ場を運営されています。

 

 

――ヒグマに興味を持たれたのはなぜですか?

 

「私の場合、子供の頃に見たテレビドラマ『恐怖!パニック!!人喰熊史上最大の惨劇 羆嵐』(読売テレビ)の印象があまりに強かったことが、興味を持ったきっかけです。1915年(大正4年)にヒグマが開拓民を襲った『三毛別羆(さんけべつひぐま)事件』をモデルにした実話で、三國連太郎さんが主演でした。子供にとって、トラウマになるくらい恐ろしいドラマでした」

 

――過去に日本で起きたヒグマの事件はどのくらいあるのでしょう?

 

「これまで北海道の地元紙を、1878年(明治11年)から1945年(昭和20年)までおよそ70年ぶんをチェックしたところでは、2500件ほどです。多くは手負いにした猟師が襲われていますが、少数ながら無関係な人も襲われています。

 

 これまでに聞いたなかでもっとも印象的だったのは、1899年(明治32年)、旭川に軍隊の駐屯地を作るときに起きた事件です。仲間でクマ狩りに行き、子熊を撃ち殺した鉄太郎という大工が、その日の夜中に部屋から忽然と姿を消したという話です。

 

 鉄太郎は、その日の明け方、目も鼻も判別できないような遺体で発見されたそうです。熊は執念深くて賢い。どのように撃った人間を見分けたのか不思議ですが、部屋には20人ほどが寝ていたにもかかわらず、鉄太郎だけを見極めたんです。

 

 ほかには、こんな事件もあります。同じく1899年、北見の国枝幸村で砂金が発見された際、全国から1万人の砂金掘りが殺到し、ゴールドラッシュが起きました。

 

 多くの人間が山中深くに足を踏み入れましたが、そこには凶暴なクマが潜んでいたのです。人夫小屋を襲撃し、2名を引きずり出して食い殺す事件が発生しました。黄金への欲望からヒグマの餌食になってしまったわけです」

 

――恐ろしい話が多いですが、道民に親しまれるような笑い話もあるそうですね。

 

「ありますよ。民家に侵入した大熊が、ニシン漬の大樽を盗み、肩に背負ってノソノソと歩きだしたのですが、しばらく行くと、いつの間にか樽の口から中身すべてがこぼれ落ち、空樽を背負って去っていったという話があります。

 

 一般の道民のほとんどはヒグマを見たことなんてないと思いますが、北海道では、ヒグマ自体は “山のおやじ” と呼ばれて親しまれているんです。道民にとって、愛すべき隣人という一面も持ち合わせているのです」

 

――ヒグマにまつわる話には、興味深い話がたくさんありますね。

 

「ヒグマの被害は、1962年から記録が残されています。今後、1945年から調べつくして、事件簿を完結させたいですね」

 

 中山さんから直接ヒグマのお話が聞きたいという方は、大多喜町の『しげキャン』を訪れてはいかがでしょうか? 手作りの素敵なバーで、お酒を楽しみながら、いろいろなお話が聞けますよ。キャンプがもっと楽しくなりそうですね。

 

■クマに襲われないための3カ条

 

(1)ラジオや鈴で音を立てる
 クマは臆病なので、自分から人のいるところには近づいてこない
(2)山に行くときは、ナタを持参する
(3)出会ったら絶対に逃げない
 クマの方が足が速いので、すぐに追いつかれる。動かずに、様子を見ながら、ゆっくりと後退する。クマが向かってきたらナタで一撃する。痛みを感じれば逃げる可能性がある。

 

 なお、死んだふりは、実際に死んだかどうか確かめにくるので、生き残っても大ケガを負う確率が高い(門崎允昭『羆の実像』などを参照)。

日下千帆

1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

( SmartFLASH )

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