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自転車に週8.5時間以上乗ると「前立腺ガン」発症リスクが6倍に

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.05.27 11:00 最終更新日:2018.05.27 11:04

自転車に週8.5時間以上乗ると「前立腺ガン」発症リスクが6倍に

 

 50代を迎える男性にとって、もっとも恐ろしいガンのひとつである、前立腺ガン。このガンは、自転車に乗ることと発症の因果関係が、以前から指摘されている。

 

 50歳以上に限った場合、乗車時間が1週間に3.75〜8.5時間の人の発症リスクは、3.75時間未満の人と比べて、およそ3倍に跳ね上がることが示されている。

 

 さらに長い間、自転車に乗る人の発症リスクを見ると、週に8.5時間以上では、なんと3.75時間未満の人の6倍にもなった。

 

 週に8時間半といえば、1日に換算すれば1時間強である。競技自転車やツーリングに限らず、通勤に自転車を使用している程度の人でも、簡単に超えてしまいそうな時間だ。

 

 手軽で健康によいイメージがあるサイクリングだが、中年男性が始めるのは、考え直したほうがよさそうだ。

 

 ちなみに、自転車に乗ると硬いサドルで股間を圧迫され、EDになるという説がある。しかし、英国でサイクリスト5282人を対象におこなわれた大規模調査では、自転車の走行距離とEDとの関連は否定された。

 

 一方で、この調査より規模は小さいものの、自転車に乗ることとEDの因果関係を示した報告はいくつかある。

 

 この「都市伝説」の真相は藪の中だが、実際、サドルで会陰部(陰囊と肛門の間)が圧迫され続けると、血の巡りが滞り、勃起に関係する神経・血管系が傷つく可能性がある。会陰部に当たらないように、中心に穴を開けたホールタイプのサドルも、すでに開発されている。

 

 世界のガン研究をリードする米国立がん研究所は、延べ144万人の成人男女(19〜98歳、平均年齢59歳)のデータを集め、余暇の運動量(中〜高強度)とガン発症リスクとの関係を解析し、結果を公開している。

 

 そこでは、前立腺ガンと皮膚ガンについては、運動量が多いほど発症リスクが上昇する、ということがわかった。

 

「JPHC研究」と呼ばれる、日本の国立がん研究センターの調査でも、同じような結果が出ている。肺ガンと前立腺ガンは、身体活動量が増えると、発症リスクが上昇する傾向が示されているのだ。

 

 ガンの発生・増殖には、性ホルモンと炎症・免疫機能、そして細胞増殖に関わる「インスリン様成長因子(IGF)」と呼ばれるたんぱく質の代謝経路が関係する。運動は、この3つのルートに直接・間接的に影響し、ガン発症のリスクを左右するといわれている。

 

 たとえば、適度なジョギングや筋トレをおこなうことは、免疫機能を高めてくれる。しかし、体力を消耗させるほどの運動は、ガン細胞を駆除するNK(ナチュラルキラー)細胞や、リンパ球などの免疫細胞を減らしてしまう結果になる。

 

 プロ野球のキャンプで選手たちの間にインフルエンザが流行することがあるが、これも、ハードな運動で選手たちの免疫力が落ちているためと考えられている。

 

 運動が健康増進にプラスであることは間違いないが、種類とレベルには、気をつけたほうがよさそうだ。

 

(週刊FLASH 2018年5月8・15日号)

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