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トランプ氏、支持率が急上昇「刑務所からも立候補可能」…専門家が見る「大統領返り咲き」シナリオ

社会・政治 投稿日:2023.04.19 06:00FLASH編集部

トランプ氏、支持率が急上昇「刑務所からも立候補可能」…専門家が見る「大統領返り咲き」シナリオ

(写真・アフロ)

 

 アメリカのトランプ前大統領(76)が、米国大統領経験者として史上初めて起訴された。トランプ氏が2016年、大統領選挙前に当時の腹心だったマイケル・コーエン弁護士を通じて、2人の不倫相手に対して、日本円で総額約3700万円の口止め料を支払ったとされることに絡み、業務記録の改ざんに関する34件の罪に問われた。

 

 

 トランプ氏が次期大統領選への出馬の意向を表明していることから、この一件は大きな注目を集めている。

 

 巨額の口止め料が支払われたとされるのは、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏(44)と、「プレイボーイ」誌のモデルであったカレン・マクドゥーガル氏(52)。2人の “美魔女” は、どんな人物なのか。現地在住のジャーナリスト・白戸京子氏が語る。

 

「ストーミーさんとカレンさんは、どちらも同じチャリティゴルフのイベントでトランプ氏と出会い、破局後はともに不倫関係をメディアに売り込もうとしました。

 

 ただ、メディアでの扱いは、ストーミーさんのほうが断然大きい。トランプ氏を『愛していた』と語るカレンさんよりも、人気のテレビ番組で、トランプ氏との関係についてぶっちゃけトークをするストーミーさんの突き抜けた感じが支持されているようです。

 

 今回の起訴は、長年トランプ氏とのバトルを繰り広げてきたストーミーさんの執念の成果だという世論すらあり、彼女の株は急上昇中です」

 

 ストーミー氏が人気を集める理由について、国際政治経済学者の浜田和幸氏は、彼女の経歴に注目する。

 

「ストーミーさんは苦労人です。高校時代は全優の成績だったにもかかわらず、貧しい母子家庭だったことでいじめを受けたようで、卒業後はストリッパーとして身を立てた。

 

 一方、ビジネスの才覚もあり、ポルノ作品の監督業も手がけ、アダルトサイト運営でかなりの会費収入を得ました。トランプ氏の起訴で再び時の人となった今、彼女の元に『嘘つき野郎』『殺してやる』といった脅迫メールが殺到し、身を守ることに汲々としているようですが、こうして話題になること自体はむしろ歓迎しているはずです。

 

 彼女もトランプ氏と同様、Twitterのヘビーユーザーで、自分の宣伝に長けています」

 

刑務所の中からでも立候補は可能

 

 波紋を広げているトランプ氏の起訴の背景には、ある思惑が存在すると、国際政治学者の舛添要一氏は指摘する。

 

「今回の起訴は、非常に政治色の強いものです。捜査を指揮したアルヴィン・ブラッグ検事は民主党員、しかも選挙によって検察官になった人です。

 

 司法試験を受け、司法修習を経て任官される日本の検察官とは違い、党派色が強い。共和党内で支持の厚いトランプ氏は、次期大統領選で民主党の強敵となり得ます。だから、彼の弱みを狙い撃ちする意図があったのでしょう」

 

 次期大統領選をめぐる民主党と共和党の戦いは、すでに熾烈を極めているようだ。しかし、起訴されたトランプ氏に、再選の可能性はあるのだろうか。

 

「アメリカでは憲法上、起訴されていようが、有罪になろうが、刑務所の中にいようが、立候補できます。トランプ氏が再選されるのは、十分にあり得る筋書です。

 

 今回の起訴で、メディアの視線は一斉にトランプ氏に向けられました。起訴された後に、トランプ氏がフロリダの自宅に戻って演説する様子も、すべてテレビ中継されました。その露出度は並大抵ではなく、選挙運動をしているようなもの。

 

 起訴されたことは、今のところトランプ氏にとって、むしろ有利に働いていると思います。トランプ氏は民主党から『政治的虐待』を受けているという見立てをし、かえって人気が上がっている面もある。大統領選に出馬すれば何が起こるか、予断を許さないところがあります」(舛添氏)

 

 一方、浜田氏は、再選の可能性は「50%以下」とみる。

 

「今回の起訴についても、アメリカの有権者の70%は『当然』と受け止めています。熱烈なトランプ信者はどこまでも彼を支持するでしょうが、その熱気も早晩、低下するはずです。

 

 バイデン大統領も、トランプ氏を追い落とすための事務所をホワイトハウス内に立ち上げ、これまでとは次元の異なる反トランプのキャンペーンを準備しています。トランプ氏への不信感が今後、高まることは必至です」

 

 とはいえ、トランプ人気には根強いものがあるようだ。

 

「最近の調査では、彼の支持率は驚くほど高くなっています。支持者側は、連邦議会襲撃事件で有罪となった者もいるため、今はおとなしくしているのかもしれませんし、反対派もまだ諸手を挙げて喜べる状況ではないため、事態の推移を見守っているのでしょう」(白戸氏)

 

 転んでもただでは起きない男の復活はあるのか。

( 週刊FLASH 2023年5月2日号 )

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