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『王様に捧ぐ薬指』橋本環奈に激ハマり主人公像なのに、代表作にはならなそうな予感

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.04.25 11:00FLASH編集部

『王様に捧ぐ薬指』橋本環奈に激ハマり主人公像なのに、代表作にはならなそうな予感

 

 このままでは「代表作は『紅白』」のまま変わらなさそうだ。

 

 先週火曜にスタートしたラブコメディ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)は、意外にも橋本環奈にとって地上波の連続ドラマ初主演作。

 

 昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』で司会を務めた橋本は、その堂々とした完璧な司会っぷりが好評を博し、どのアーティストよりも話題をかっさらったのは記憶に新しいだろう。

 

 

■今のところ女優としての代表作がない?

 

 橋本は、かつて地元福岡のご当地アイドルグループに所属していたが、現在の肩書は “女優”。けれど今のところ、これといった代表作に恵まれていないのだ。

 

 これまでに連ドラへのレギュラー出演はたびたびしており、劇場版も大ヒットした『今日から俺は!!』(2018年/日本テレビ系)にも出演していたが、こちらは4、5番手の役どころ。

 

 映画ではいくつも主演作があり、なかでもKing & Prince・平野紫耀とダブル主演した『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』シリーズ(2019年、2021年公開)はスマッシュヒット。だが、橋本の絶大なる人気や知名度から考えると、代表作と言うには物足りない。

 

 そう、橋本はまだ女優として大手を振って代表作と言えるような作品にめぐり合えておらず、現状では「代表作は『紅白』」なのである。

 

 そんな彼女が満を持しての連ドラ初主演となった『王様に捧ぐ薬指』は、残念ながら大ヒットすることはなさそうな気配。

 

 昨年放送の恋愛ドラマ『silent』(フジテレビ系)はブームを巻き起こし、主演した川口春奈とSnow Man・目黒蓮にとってまぎれもなく代表作となったが、『王様に捧ぐ薬指』は第1話終了時点で、すでに橋本の代表作にはならなそうな雰囲気が漂ってしまっている。

 

■橋本環奈以外には演じられないヒロイン

 

『王様に捧ぐ薬指』は、大切な家族を守るべく結婚を選んだ “ド貧乏シンデレラ” 羽田綾華(橋本)と、経営する結婚式場の業績不振を立て直すため、好きでもない綾華と打算で結婚した “ツンデレ御曹司” 新田東郷(Hey!Say!JUMP・山田涼介)が繰り広げるラブコメディ。

 

 橋本演じる綾華は絶世の美女で、根は素直でやさしいキャラクター。

 

 しかし、その容姿端麗さで多くの男が惚れてしまうため、男同士が争ったり女たちから嫉妬されたりと、すぐにトラブルが起こってしまう。さらに、もともとストレートにズケズケとものをいう強気な性格で、ケンカを売ってきた相手に言い返して怒りを煽ってしまうこともあり、まわりからは男をたぶらかす悪女と思われている。

 

 そんな主人公・綾華だが、橋本に当て書きしたんじゃないかと思えるほど、ハマッているキャラクターだと感じた。

 

 第1話では、綾華が東郷の前で、「どぉもー、悪女でーす」と開き直って全開の笑顔を見せたり、「バカな男たちが勝手に惚れてきただけなんで。この顔がよすぎるんですかね?」と悪態をついたりするシーンがあった。こういった演技は、橋本の類まれなるルックスやバラエティ番組などで見せる愛嬌のある毒舌キャラと、非常に親和性が高いのだ。

 

 本作は2017年まで連載されていた同名漫画が原作のため、このドラマのために生み出された主人公ではないのだが、橋本以上にこのキャラクターを好演できる女優なんて存在しないのではないかと思うほど、彼女にうってつけ。

 

 要するに橋本が演じる主人公像としてはこの上なくドンピシャで、その点においては素晴らしい原作選びだったと言える。

 

■『逃げ恥』のように大化けする予感なし

 

 けれどこのドラマ、橋本と主人公の相性は抜群なものの、設定や演出が定番すぎて既視感がありまくりなのである。

 

 まず庶民女性とセレブ男性の恋愛という設定で言えば、『花より男子』シリーズ(2005年、2007年/TBS系)や、『リッチマン、プアウーマン』(2012年/フジテレビ系)などがある。また、恋人同士ではない2人が偽装結婚するという設定は、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年/TBS系)や、『婚姻届に判を捺しただけですが』(2021年/TBS系)などがある。

 

『王様に捧ぐ薬指』はラブコメらしい突飛な設定ではあるが、かといって斬新というわけではなく、かつての人気ドラマからパッチワークしたようなどこかで観たことがあるストーリー。食傷気味のマンネリ物語になってしまっているのだ。

 

 脚本や演出も、よく解釈すればラブコメの王道路線と言えるが、悪く解釈すればフォーマットどおりでオリジナリティや工夫を感じられない。制作陣からは攻めて新しいものを生み出そうという気概が感じられず、とりあえず失敗しないことを最優先にし、守りに徹しているように見えてしまう。大コケはしないだろうが『逃げ恥』のように大化けする予感もしない。

 

 ――第1話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は7.5%で、TVerのお気に入り登録者数は56.3万人(4月21日現在)と悪くないスタートを切っている。

 

 しかし前述したように、ハネて社会現象化するような雰囲気はない “安全パイ” といった印象なので、橋本にとって汚点にはならないかわりに代表作にもならなそう。

 

 主人公のキャラクターは橋本に激ハマりしているので、今夜放送の第2話以降で目新しいチャレンジングなストーリーになっていけば、「代表作は『王様に捧ぐ薬指』」となるかもしれないが……はたしてどうなるか。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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