8月29日、自民党の保守系有志議員でつくる「保守団結の会」は党本部で勉強会を開き、会の顧問で、先月、銃撃されて死去した安倍晋三元首相を「永久顧問」に選任した。
共同代表の高鳥修一衆院議員は「安倍元総理の名前をこれからも(会に)残し、考えをしっかり継承していく」と選任の理由を説明。勉強会に参加した議員らは拍手で了承した。
【関連記事:菊池桃子の旦那も…「安倍親衛隊」首相辞任でみじめな末路】
「『保守団結の会』は、2020年に保守系議員約60人で設立された勉強会です。高市早苗経済安保担当相も顧問を務め、昨年秋の総裁選では、高市氏を支える原動力になりました。
さらに、2021年末には、北京冬季五輪のボイコットを主張し、2022年1月には、新潟県の佐渡金山をユネスコ世界遺産登録に推薦することを強く申し入れるなど、自民党内でも強硬な『右派グループ』といえます。
ただ、安倍元首相という絶対的なリーダーを失った衝撃は大きい。右派グループをまとめる後継者がいないことから、分裂する危機感もある。だからこそ、安倍氏死去後も威光に頼らざるを得ないところに『右派グループ』の苦悩が見て取れますね」(政治部記者)
「保守団結の会」が安倍元首相を「永久顧問」に選任したことが報じられると、SNSでは、批判の声が巻き起こった。
《亡くなった人にどのように相談し、アドバイスをもらうの?》
《「永久顧問」とかいう文字列にそこはかとなく漂うB級感………》
また、北朝鮮を引き合いにしたコメントも多い。
《北朝鮮の金日成みたいだな。彼は永久国家主席。思考回路が同じみたい》
《北朝鮮を全く笑えない、自民党保守グループ》
《自民党、このややこしい時に北朝鮮めいたこと始めるなよ、「永遠の総書記」じゃないんだから…》
一方で、こんな見方も。
《安倍チルドレンを誰が率いるかの争いが始まったのだ。政調会長就任で一歩リードのはずの萩生田氏がツボり、代わりに浮上したのが高市氏の構図》
「実は、同日、神社のしめ縄などに使われる産業用大麻の振興を目指す『産業や文化等への麻の活用に関する勉強会』も、安倍元首相を『永久顧問』としているんです。
会合では、会長を引き受けた森山裕選対委員長が『この勉強会は安倍氏が大変強い思いを持っていた。その思いを受け継ぐことが大事なこと』とあいさつしています。
安倍元首相を『永久顧問」に祭り上げた陰で、熾烈な後継争いが始まったと言ってもいいでしょう」(同)
党内最大派閥の会長として、党内に強い影響力を保っていた安倍元首相。死してなお、その名前が利用されている――。
( SmartFLASH )