エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

くわばたりえ 「やめたい」と小原正子に手紙書いたことも…それでも「漫才をしたいという気持ちは変わらない」

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.10.23 11:00FLASH編集部

くわばたりえ 「やめたい」と小原正子に手紙書いたことも…それでも「漫才をしたいという気持ちは変わらない」

くわばたりえ/【居酒屋 田】東京・新宿にて

 

■性格が真逆なのがよかった

 

 思ったことをはっきりと口にする小原には驚かされることも多かったという。

 

「ネタを書いたら『全然おもんない』ってネタ帳にどんどんバツをつけていくんですよ。これ、私が逆の立場だったら、きっと悩むフリをして申し訳なさそうに言うと思うんですが、それをズバズバとダメって言ってくる。その勇気はすごいなって思いました。小原さんの場合は、あかんものはあかんとはっきりしている。これがコンビとしてすごくよかったです」

 

 漫才師として活躍したい気持ちは変わらなかったが、東京で求められたのはバラエティ番組で活躍するタレント。苦手意識があったという。

 

「本音を言うと、これまでテレビに出たいと思ったことは一度もなかったんですよ。あくまでも漫才師としてネタをしたくて。でも、事務所のライブは月に数回程度で、仕事の多くはテレビのトーク番組。漫才は台本があるけど、トーク番組はその場でウケることをポンポンと言わなきゃいけないのが、根本的に違うんですよ。ずっと向いてないと思っていました」

 

「やめたい」と感じて小原に切り出した。

 

「やめたいという思いを書いた手紙を渡したら、相方は読まずにビリビリと破いて。童謡の『やぎさんゆうびん』の山羊かと思いましたよ(笑)」

 

 しだいにトーク番組での振る舞い方に気づいていくなか、『エンタの神様』に出演。2005年、番組での過激パフォーマンスに対する苦情のお詫びとして丸刈りにする “事件” を起こし、一気に注目を集めた。

 

「あのときは本当に最悪でした。インパクトを残すために、マネージャーが絶対にやれ!と言ってきて。めっちゃ嫌です! と言いまくっていたら、小原さんにも『やりや!』って言われて。これには驚きました。だって絶対自分やったらやらんくせに。もう泣く泣く丸刈りにした感じです」

 

 だが結果、大炎上となり苦情がさらにたくさん届いた。

 

「インパクトを残すという意味では、意味があったんですよね。クワバタオハラなんて大嫌い! と名前を覚えてもらえたというか。あのコら誰? から一歩進んだ気はしました」

 

 その後、くわばたは結婚、出産を機に、ママタレントに。育児番組『すくすく子育て』(NHK Eテレ)の司会になった。

 

「小原さんとコンビを組むきっかけとなった男性と7年後に再会して結婚しました。

 

 彼は平日朝から晩まで仕事なので、ほぼワンオペ状態で育児をしてたんです。それが本当に大変で、そのツラさを話していたら、多くの主婦から『わかる、わかる』と声が上がって。一気にファン層が同世代のママになりました。『エンター』のときはあんなに嫌われたのに、こんなことになるなんて(笑)。何があるかわからないです」

 

 現在はYouTubeなどでありのままの姿を見せ、ファン層を広げている。

 

「何をしたらいいのかもわからず、困って始めたのが日常を見せること。カレーやもやし炒めといった本当の晩ご飯を作っている姿やアホなことをする子供を叱ったり。これで主婦の方がより親近感を持ってくれるようになりました。あと子育てが終わった年配の方も、昔を懐かしむ感じで観てくれて。

 

 今、くわばたりえを応援しようというおばちゃん軍団の輪ができているんですよ。それは小さい輪ですが本当に嬉しいです」

 

 10月からは連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK)に出演。ツイッターのトレンドになるなど注目を集めている。

 

「お好み焼き店のシーンはその場の雰囲気を楽しみながら演じています。なにより嬉しかったのは、両親が喜んでいること。それもこれも、お父さんが期限つきで芸人を許してくれたから今があるので」

 

 コメンテーター、女優と幅広く活躍しているが、「主軸はあくまでも芸人」だという。

 

「小原さんと漫才をしたいという気持ちはあります。ただ小原さんは今、関西で子育てしていて、なかなか簡単に集まれない。それが落ち着いたとき単独ライブができたらいいなと考えています。『2人足して100歳です』みたいなライブでもいいんちゃうかなと。小原さんと会うと、どうでもいい話なのにずっとテンポよく話せるし、話も途切れないんですよ。それが新しい形の漫才っぽくて。少しずつ変化した私たちをお見せしたいです」

 

 多彩な姿を見せるくわばただが、根底には漫才師というブレない軸がある。いつか彼女が思いっ切り漫才をする姿を見てみたい。

 

くわばたりえ
1976年3月24日生まれ、大阪府出身 高校卒業後、お笑い養成所に入学。2000年に小原正子とクワバタオハラを結成。『エンタの神様』(2003年~、日本テレビ系)などバラエティを中心に活躍。育児情報番組『すくすく子育て』(NHK Eテレ)の司会を4年間務めた。現在はバラエティ番組やドラマで活躍するほか、YouTube、音声プラットフォームVoicy配信など精力的に活動中

 

居酒屋 田】
住所/東京都新宿区中落合1-17-1
営業時間/17:00~翌1:00
定休日/日曜・祝日

 

写真・伊東武志
スタイリスト・今村千恵

( 週刊FLASH 2022年11月1日号 )

続きを見る
12

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る

エンタメ・アイドル 一覧を見る

今、あなたにおすすめの記事