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維新・馬場代表、万博パビリオン建設遅れに「大阪の責任ではない」の“責任転嫁”「悪いことは他人のせいか」集まる批判

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.31 17:50 最終更新日:2023.08.31 17:56

維新・馬場代表、万博パビリオン建設遅れに「大阪の責任ではない」の“責任転嫁”「悪いことは他人のせいか」集まる批判

 

 8月30日、日本維新の会馬場伸幸代表は党会合で、2025年大阪・関西万博において、海外パビリオンの建設が大幅に遅れていることについて「大阪の責任でない」と述べた。朝日新聞が報じた。

 

 馬場氏は、「私の経験では、1970年の大阪万博では開会直後に会場に行ったらまだいろんなパビリオンが工事中という状態だった」と述べた。

 

 

 そのうえで「その国と日本の建設業などのルールが違うこともあって、準備に時間がかかっていることも影響しているのではないか。万博というのは国の行事、国のイベントなので、(遅れが)大阪の責任とかそういうことではなしに、国を挙げてやっている。オリンピックは各都市の開催なので、おのずと(万博とは)性格がまったく違う」と述べた。

 

 馬場氏は8月23日、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を成功させる国会議員連盟」の役員会で、建設費の上振れについて、こう発言していた。

 

「無駄づかいは絶対あかんけど、民間の工事も、ぜんぜん最初の契約金と変わったり、ほかの合計金額もそう。確実に高騰しているし、しかも工期も長い。途中で契約金額変更になるのは当たり前」

 

 だが、万博の準備が遅れ、経費が上振れしている背景には、立地の問題がある。本誌8月29日発売号で、建築エコノミストの森山高至氏はこう述べている。

 

「会場となる夢洲(ゆめしま)は埋め立て地なので、地盤が緩すぎるんですよ。たとえば同じ埋め立て地の関西国際空港では、埋め立てを終えてから1年で6mも地盤が下がりました。夢洲の会場の埋め立て工事を終えたのがこの春なので、開催までに地盤がまだまだ下がる可能性があります。

 

 さらに、事前の計画では地盤の弱さをカバーするために、パビリオンの下に平均50mの杭を打ち、万博を終えたら杭を抜くことになっています。これはかなり大がかりなもので、撤去を含め費用がかさみます。建設業者が及び腰になるのも納得できますよ。現場の状況を知らない参加国が、この地盤についてきちんと把握し、デザインできているのか不安です」

 

 液状化や津波被害の懸念もあり、未整備のまま放置されてきた夢洲を、「万博誘致」をきっかけに整備し、「IR(カジノ)誘致」につなげようとしたのが、維新の創業者である松井一郎元大阪府知事だった。

 

 松井氏は、自身の著書『政治家の喧嘩力』(PHP研究所)で、2015年末の安倍晋三首相(肩書はすべて当時)らとの忘年会の席で《総理にお酒を注ぎながら、一生懸命、持論を展開した》ことで、大阪万博が動き出したことを誇らしげに語っている。

 

《すると安倍総理は、「それは挑戦しがいのある課題だよね」とおっしゃって、隣の菅官房長官に、声をかけられた。

 

「菅ちゃん、ちょっとまとめてよ」

 

 この一言で大阪万博が動き出した。すぐに菅官房長官は経産省に大阪府に協力するよう指示してくださった。》

 

 維新の馬場代表の「大阪の責任でない」という発言に対しSNSで寄せられた批判には、当時の松井氏を糾弾する声も。

 

《一番大きな原因は、あの夢洲を会場に選んだことでは。そしてそれを選んだのは松井氏自身なのだから、それは紛れもなく大阪の責任だと思うが。なんで都合の悪いことは何でも他人のせいにするのか》

 

《大阪、というか維新の責任ですよ。だって発案は松井一郎。そして工事遅れの最大の原因は夢洲という最悪のゴミの島を会場に強引に押し込んだから。それをやったのも松井一郎》

 

 8月31日、松野博一官房長官は、大阪万博について「開催を遅らせるとの考えは持っていない」と述べ、「政府が前面に立ち、海外パビリオンの建設を含め関係者が一丸となって準備を進めることが重要だ」と強調した。

 

「有言実行」を売りにしてきた維新。いまさら責任転嫁しているようでは、その売りに傷がつくというものだ。

( SmartFLASH )

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